・起業して失敗した人の話を聞いて不安になりました・・・
起業して自分のビジネスを始めたいと思っていても、常に周りの人に賛成してもらえるとは限りません。
家族や友人、恋人などに起業の計画について話した時に「起業なんてやめとけ。」とか「普通の会社員でいたほうが安心だよ。」とか「失敗したらどうするんだ?」なんて言われて、テンションが下がってしまうような事もあるでしょう。
これは、起業しようとした人が直面する典型的な問題の一つで、基本的には無視すべき「余計なお世話」なんですが、心の中で問題を整理しておかないと、ネガティブな意見に流されてしまう事にもなりかねません。
そこで今回は、
- 「起業はやめとけ」という意見を無視すべき理由
- 企業するリスクを大幅に軽減する方法
- 本当に「起業やめとけ」なのはこんな人
というの3つのポイントについて書いてみたいと思います。
なので、このページの内容を読んでもらえば、起業に向けての努力をしていく上での不安を、少しは軽くすることができるでしょう。
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目次
「起業はやめとけ」を無視していい理由
起業する考えがあることを話すと、いわゆる「身内」と言えるような近い人間関係の人から、ほぼ必ずと言っていいほど反対意見が出てきます。
これは、まだまだ世の中全体としては、
起業=ハイリスク
というイメージが強いためでしょう。
自分に近い立場の人の人が、そんな危ない橋を渡ろうとしていたら「思いとどまらせてあげるのが親切」だと考えているのかも知れません。
また、起業を考えている人が家族の「収入源」だとしたら、何よりも「この人が失敗したら、自分達だって困る事になる」という心配が真っ先に出てくると思います。
しかし、いずれの場合にしても「やめとけ」と言ってくる人は、リスクを正確に分かって言っている訳じゃありません。
ただ「何となく不安」だから反対しているだけだということです。
もしもその反対意見を言ったのが、起業を考えている業界の経験者や、経験豊富なコンサルタントのような人だったとしたら、計画を練り直す必要があるでしょう。
でも、経験も知識も無い人というのは、冷たい言い方をすればただの「外野」でしかないので、その中身に意味があると思ってはいけません。
ちなみにコンサルティングやコーチングの世界では、大した根拠も経験もなく「やめとけ」と言ってくる人のことを「ドリームキラー」つまり「夢を奪う人」と呼んでいたりします。
身内の中からドリームキラーが出てきたら、その時は必要以上に衝突しないように「よく考えてみるよ。」くらいに返しておいて、裏で着々と準備を進るようにするのが一番だと思います。
起業は「甘くない」のは事実
ただし、一般論で考えれば、起業したビジネスを軌道に乗せるという事が、決して簡単ではないというのもまた事実です。
特に小さな規模の会社や、個人事業の場合は、十分な売上が確保できずに短い期間で廃業・倒産になる割合が高いです。
中小企業庁のHPによれば、統計の上では個人事業所が1年間生き残れる確率は62.3%。つまり、たった1年で3分の1が消えていくというデータもあります。
参考:事業の存続・倒産と再生(中小企業庁HPより)
さらに、生き残った人の中から、さらに1年生き残れるのが約75%ですから、2年目も4人に1人は脱落していきます。
これをグラフ化していくと次のようになり、10年後に生き残っている個人事業所は、大体10人に1人という感じです。
こういうデータだけを見ると、確かに「起業はやめとけ」という話にも説得力があるように思えてしまうかも知れませんが、そんなに心配する必要はありません。
というわけで次の項目からは、起業をする時のリスクをコントロールする方法について書いていきましょう。
起業のリスクはコントロールできる
「起業はやめとけ」というアドバイス(?)が出てくる最も大きな原因は、失敗した時のリスクの大きさでしょう。
もしも、起業に失敗したときの金銭的リスクが0で、何の問題もなく起業する前の状態に戻れるとしたら、誰も止めようとはしないはずだからです。
しかし、多くの人が心の中に描いているのは、昔ながらの「脱サラ起業」のような形で商売を始めた人の失敗談ではないでしょうか。
何年も貯金して自己資金を用意し、さらに銀行から大金を借りて飲食店を開いたにも関わらず、失敗して倒産して大借金を抱えることになり、その後の人生を何十年という時間を借金返済のために生きる・・・とうような話です。
昔は、親がそういう失敗をしたせいで、家族が貧乏生活を強いられるようになったとか、家庭が崩壊したなんていう話を聞くこともありました。
でも、起業をする上で、そんな大きなリスクを取る必要は全くありません。
絶対失敗しない起業プランというのはあり得ませんが、失敗した時のダメージを小さくすることは、いくらでもできます。
そもそも、起業という言葉の意味は、
新しく事業を始めること。
(goo国語辞書より)
です。
つまり、今までの仕事を辞めずに副業を始めても、それは立派な起業なんです。
さらに、今は借金などをしなくても、個人でできる仕事がいくらでもありますから、やり方を選べば金銭的なリスクもほぼ0にできます。
今の仕事を辞めずに、借金もせず、自己資金もほとんど使わずに起業できるのなら、失敗した時の結果は「起業前の生活に戻るだけ」です。
仮に飲食店のようなものを始めたいと思っていたとしても、今なら移動式のキッチンカーをレンタルして、宣伝にはSNSなどを利用すれば、サラリーマンの自己資金だけでも小さなビジネスを始めることが出来るでしょう。
最初はそうやって、小さな実績を積み上げていけばいいんです。
リスクが小さければ、途中で失敗しても「振り出しに戻る」だけですから、そこからまたやり方を変えて再スタートすればいいでしょう。
そして、小さく始めたビジネスを少しずつ育てることができたら、その時点で初めて副業を本業にすることを検討すればいいと思います。
そうすれば、起業の最大のリスクになる「安定するまでが大変」という部分をクリアした上で、しかもそれまでに稼いだ資金を手元に残したままでスタートできるので、一般的な起業よりもずっと成功率は高くなるはずです。
よく、何かを始める時に、「退路を断って戦う」という表現をする人がいますが、僕は起業に関しては、常に逃げ道を残しておくべきだと思っています。
「退路を断って挑戦」という言葉の響きはカッコいいかもしれませんが、それを美談にできる成功者の裏には、たくさんの失敗して消えていった人たちがいることを忘れてはいけません。
こんな人は本当に「やめとけ」
ただし、起業したいと言っている人の中には、本当に「この人は企業すべきじゃない」というタイプの人もいます。
僕の考える限り、以下の3つのタイプの人は、(少なくとも現時点では)起業家向きではないと思います。
「絶対に失敗したくない」という人
たまに「起業したいけど、絶対失敗したくありません」という人がいますが、こういう人はそもそも、起業することの意味をよく理解していないと言えるでしょう。
宝くじ売り場に行って、
「宝くじにあたりたいけど、ハズレくじは絶対買いたくないんです。」
と言う人に対して返せる答えは、
「買うのはやめとけ。」
以外にありません。
大企業や天才的な起業家だって、たくさん失敗しながら成功するビジネスを育てていくわけですから、「どこかで必ず失敗する」ということを覚悟できないのなら、起業なんてしない方が幸せだと思います。
とりあえず、仲間と一緒に何かをしたい
仲間と一緒に何かをするのが楽しいから「友達と一緒に起業したい」というのも、ほぼ確実に失敗するパターンの一つです。
人間が複数いれば、意見が完全に一致することはないですし、何より友達同士で一緒に活動すると、必ず馴れ合いや甘えが出てくることになります。
起業して成功できるのは、一人ぼっちでも行動して結果を残せる人です。
友達同士で一緒に仕事をしてうまくいくのは、既に自分のビジネスを持っている人同士が組んだ場合だけだと思います。
自分で考えることが嫌いな人
自分で何をすればいいかを考えたり、問題に対処する方法を考えるのが苦手な人も、起業家には向いていません。
分からないことや知らないことを人に聞くのが悪いとは言いませんが、最終的には自分で答えを出して責任を取れないと、起業家としては落第です。
特に、何かに迷う度に、
「どうすればいいか教えて下さい!」
というような人は、結局のところ、自分で決めたことに対して責任を取ることができない人です。
そういう人は「責任」の部分は経営者や上司に任せて、出された指示に従って働く立場でいた方がいいでしょう。
今回のまとめ
最後に、今回のまとめです。
ポイント
- 起業をやめさせようとする「外野の意見」は無視すべき
- 個人事業は安定しにくいが、リスクは限定できる
- 起業に向いていないタイプの人もいる
→ 「絶対に失敗したくない」という人
→ とりあえず、仲間と一緒に何かをしたい
→ 自分で考えることが嫌いな人