・どうすれば、後悔のない人生になるでしょう?
今回の話は前回の記事「後悔ばかりの人生を変えよう-過去の自分を責め続ける君へ」の続編になります。
前回の記事では、本来なら「してはいけない後悔」があるという事と、理屈ではなく感覚のレベルでそれを知ることで、後悔を減らすための方法について説明しました。
その方法を使えば、君自身がどうやって物事を決断し、行動したかということが把握できるので、後悔や自己嫌悪の回数はかなり少なくなるはずです。
しかし、長い人生の中では、ふと過去を振り返った時に「もっと○○すればよかった・・・」という形で後悔することも多いでしょう。
というより、長時間の、しかも無意識にやってきた中での後悔の方が、意識的に何かを選択した時の後悔よりも、深刻で取り返しがつかない事が多いと思います。
そんな大きな「人生における後悔」をどうやって少なく、小さくしていくかというのが今回のテーマです。
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目次
人はどんなことを後悔するのか
価値観が人それぞれであるように、何を後悔することにも人それぞれ違いはあるでしょう。
しかし、実は多くの人の「人生における後悔」を見てみると、たくさんの共通点があることが分かります。
なので、今回は僕や周りの人の体験だけでなく、人の最後を看取ってきた専門家の話や、それらについてまとめた以下の4つの記事などを参考に「人生の3大後悔」を定義してみました。
参考:The Top 5 Regrets of The Dying.
「死ぬ時の後悔トップ5」:看護師が看取ってきた患者の後悔をまとめた記事(英語サイト)
参考:The 25 Biggest Regrets In Life. What Are Yours?
「人生における最も大きな25の後悔。あなたはどう?」:アメリカの雑誌「Forbes」の記事(英語サイト)
参考:「死の直前、人がとる行動は3つにわけられる」 ある救急救命士が、生と死の狭間で見たもの
ニューヨークの救急救命士のスピーチより
やりたいことをやらなかったこと
- 人生でやりたいことがもっとたくさんあった
- 自分のしたいことではなく、両親の望む生き方をしてしまった
- いつもやりたかった夢の仕事に応募すべきだった
非常に多くの人が、こんな風に自分の理想を追求しなかったこと、やりたいことに挑戦しなかった過去を後悔しながら死んで行っています。
できれば人生の最後には、最低でも「思い通りにはならなかったけど、ベストは尽くした」と感じたいものです。
人間関係を大切にしなかったこと
- 家族や友人を犠牲にして働きすぎた
- 子どもたちや孫たちと、もっとたくさんの時間を過ごせばよかった
- 他人に優しくしなかった
人間関係に関する後悔も、多くの人に共通するものです。
僕たちは相手との関係が近ければ近いほど、ついその人がそばにいてくれることが当たり前だと思いがちですが、そのツケは人生の最後に支払うことになるのかもしれません。
自分の気持ちを表現しなかったこと
- 自分の気持を表現する勇気が無かった
- いじめに対して、ただ我慢して耐えてしまった
- 他人が自分をどう思っているか気にしすぎた
- 愛する人に「ありがとう」と伝えなかった
自分の気持を押さえつけて我慢したり、伝えるべき相手に言いたいことが言えなかったというのも、多くの人がもつ深い後悔の一つです。
「人生の3大後悔」については、普段から意識すべき
冒頭の部分でも書きましたが、「人生の3大後悔」というのは、株の銘柄や学校、就職先を選ぶ場合と違って、事前にはっきりとした「決断」の機会がありません。
自分なりに頑張って生きているつもりでも、歳をとって、過去を振り返った時に「もっと○○すればよかった・・・」という風に悔やむ事になるので、余計に深刻なのです。
なので、後悔のない人生を生きるためには、普段から「人生の3大後悔」の存在を意識できるように工夫することが重要です。
例えば、前回の記事では、何かを選択する時に、その内容をノートに書き残すというワークを紹介しましたが、そのノートを活用するのもいいでしょう。
最初のページに「人生の3大後悔」の内容を書いておいて、ノートを使う時には、最初のページも見るようにするわけです。
人生の3大後悔について考えることは、自分の本心について考えることでもあるので、進路や就職先のような、大きなことを決断する上での助けにもなると思います。
もしも、今の段階でノートを作る必要性を感じていない場合でも、後悔しない人生を生きたいと考えているのであれば、何らかの形で「人生の3大後悔」を見直す機会を作って欲しいと思います。
手帳などに書き込んでおいてもいいですし、このページをブックマークに入れておいて、時々開いてもらっても構いません。
やらなかった後悔 > やった後悔 になる理由
今回参考にした「後悔」の例だけでなく、色々な人の後悔の内容を聞いてみると、「やったこと」よりも「やらなかったこと」に大きく偏っていることが分かります。
これについては「やった後悔よりやらなかった後悔の方が大きい」という言い方がされることも多いですが、その理由が説明される事はほとんどありません。
やらなかった後悔が、やった後悔よりも大きくなりやすい理由。
それは、何かを「やらない」ことによって失う物の大きさが、その人のイメージの中でどんどん膨らんでいくからです。
例えば、旅行の途中で立ち寄ったレストランで、その土地の名物料理を食べるかどうかについて迷ったとしましょう。
結果としてその料理を「食べる」という決断をしたら、仮にその味が期待したほど美味しくなかったとしても、後悔の大きさは限定的です。
なぜならこの場合、実際には選択しなかった「食べない」という行動の結果は、割と簡単に想像できるからです。
代わりにコンビニでおにぎりを買って食べていたとしたら「だいたいこんな感じだっただろう」とイメージすることは、決して難しくないでしょう。
名物料理を食べる体験の価値が「100」だと分かっていて、逆に食べなかった場合の価値がは「50」だとすれば、損失の大きさは50-100、つまり-50だと計算することができます。
これに対して、名物料理を食べないという選択をした場合、その味や体験の価値を想像するのはかなり困難です。
名物料理を食べるという体験の価値が100なのか、300なのか、それとも500なのかは、食べてみていない限りわからないからです。
仮に後になってその「レストランが潰れた」なんていう話を聞いたら、想像上の損失は-1000くらいになるかもしれません(笑)。
50-xという計算ですから、xの値によって損失はいくらでも大きくなります。
そんな風に「しなかった体験」の価値には上限がないので「やらなかった後悔」は「やった後悔」に比べて大きく感じられるというわけです。
なので、やることのリスクが受け入れられないほど大きい場合を除けば、「やらない」よりも「やる」を選んだ方が、より後悔の少ない生き方ができるでしょう。
「やり直せる後悔」はやり直す
過去の後悔について考えた時、既に完全に終わってしまっている事については、いくら考えてもやり直すことができません。
例えば、
「亡くなったおばあちゃんに、もっと優しくしてあげればよかった。」
と後悔してみたところで、それを実行に移すことはできないですよね。
しかし、場合によっては今からでもやり直せたり、完全な形ではなかったとしても多少の「埋め合わせ」くらいならできる、ということはたくさんあると思います。
もしも、友人と疎遠になってしまったことを後悔しているとしたら、今からでも卒業アルバムやSNSなどを利用して、連絡を取ってみる価値は十分にあるでしょう。
亡くなった人との関係を修復するのは無理でも、それをきっかけに今の人間関係を大切にする事ができれば、将来の後悔は減らすことができるはずです。
なので、過去の後悔の中に少しでも取り戻せる要素があったら、今すぐに行動してみて下さい。
逆にそれをやらなかったら、やらなかった後悔と、やり直さなかった後悔の2つを経験することになるかもしれません。
どんな形であれ、人間関係にはいつか「終わり」がやってきます。
だから今、行動を起こしておけば、いつかきっと「あの時話しておいてよかった」と思える時が来ると思います。
後悔を覚悟しておくべきこと
ただし、どんなに「後で後悔しないように生きよう」と思っていたとしても、後悔することをゼロにするのは不可能です。
特に肉親や、家族のように思っていたペットなどを失ったりすれば、どんなにその相手との関係を大事に思っていたとしても、
「もっと優しくしてあげればよかった。」
「もっと長い時間、一緒に過ごしたかった。」
と感じることは避けられないと思います。
なので、そういう後悔に関しては、最初から心の中に残しておくことを「覚悟」してしまいましょう。
「人生の3大後悔」の中で引用した救急救命士の話の中で「人が亡くなる時に求めるもの」の一つとして「記憶への願望」というものがあります。
もう助からないと自覚した人たちの多くが、初対面の救急救命士に対して「私を覚えていてくれる?」と聞くんだそうです。
亡くなった人の存在を思い出すのは辛いことかも知れませんが、それはこの世から消えていく側にとっては「生きた証」でもあります。
そう考えれば、たとえその気持の中に後悔が混ざっていたとしても、誰かの存在について思い返す事には、一定の意味があるのではないでしょうか。
今回のまとめ
最後に、今回のまとめです。
ポイント
- 人が経験する大きな後悔には共通点がある(人生の3大後悔)
→ やりたいことをやらなかったこと
→ 人間関係を大切にしなかったこと
→ 自分の気持ちを表現しなかったこと - 「人生の3大後悔」は意識的に触れる機会を作る必要がある
- 「やらなかった後悔」が大きいのは損失が想像の中で膨らむから
- やり直せる後悔をやり直さな事は「2重の後悔」を生む
- 喪失の後悔は、覚悟して受け入れることに意味がある