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「苦労は買ってでもしろ」は間違い-逆境は人を弱くする【脳科学】

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「苦労は買ってでもしろ」は間違い-逆境は人を弱くする【脳科学】

元底辺サラリーマン、現在は独立して好きなことを仕事にする「ライフワーカー」育成のプロジェクトに取り組んでいるROCKです。
・苦労は買ってでもしろ、というのは本当でしょうか?
・苦しい環境で働くことは将来プラスになるんでしょうか?

こんな風に、苦労することと、それによって得られるものの関係について書きたいと思います。

古くから伝わることわざの一つに「若い時の苦労は買ってでもせよ」というものがあります。

これは「若者だけが苦労しろ」と言っているのではなくて、未来のある若者に対して「苦労した経験は、将来役に立つ貴重なものなんだよ」ということでしょう。

でも、実はこの考え方は、脳科学的に考えれば間違いです。

今は昔と違って、今は人間がどんな時に能力を発揮できるか、どうすれば成長できるかということが科学的に解明されるようになってきました。

そこで今回は、科学的な根拠をベースに、無駄な苦労をしないための知識を解説していきます。

この記事についてご質問・ご意見がある場合は、記事の下部にあるコメント欄からご連絡ください。原則として24時間以内に回答を掲載させていただきます。

苦労や逆境は人を育てない

苦労や逆境は人を育てない

言葉の意味を考える上では、最初にその意味をきちんと把握しておくことが大切なので、一応「苦労」の意味を辞書で確認しておきましょう。

精神的、肉体的に力を尽くし、苦しい思いをすること。「苦労が絶えない」「苦労を共にする」「苦労の種」「苦労して育てた子供」
(goo辞書より)

つまり、「苦労は買ってでもしろ」という話が本当なら、つらい経験、苦しい思いは将来にとってプラスにならなくてはいけません。

確かに、苦労したことが後で役に立つという事は多いでしょう。

でも、だからといって、苦労そのものに意味があるのかというと、そんな事はありません。

いや、はっきり言ってしまえば、苦労や逆境が人を育てるというのは真っ赤な嘘です。

例えば、親に虐待されながら育った子どもがどうなるかを考えてみて下さい。

小さい頃から親に暴力を振るわれたり、「お前なんかいらない」と言われ続けた子供は、ずっとその状況に耐える「苦労」しているわけですが、その経験によって立派な大人に成長するでしょうか?

あるいは、恋愛でつらい思いをし続けた人はどうでしょう?

思春期になっても異性からは全く相手にされずに過ごし、告白してもひどいフラれ方をし続けたら、その経験によって愛情深く、恋愛上手になっていくでしょうか?

または、上司のパワハラに苦しんでいるサラリーマンはどうでしょう?

毎日怒鳴られて、役立たずと罵られ続けたら、その苦労によってその人は「デキるビジネスマン」になっていくでしょうか?

答えは全てNOです。

苦労そのものに、人を成長させる力はありません。

それどころか、自信や自尊心を失って、どんどん行動できなくなり、場合によっては精神を病んでしまい、一生それを引きずっていくことになります。

苦労をすると「つらい事に耐えられるようになる」と考えている人も多いですが、それも実は間違いです。

苦労が続くと、逆にそのストレスによって心が弱っていくということは、科学的にも証明されています。

人の脳は、ストレスを受け続けると、扁桃体という「好き・嫌い」という部分が発達して、嫌なことはより「嫌だ」と思うようになります。

一方で、高度で理論的な事を考えるための前頭前野という部分が萎縮して、理論的に物を考えることができなくなっていくんです。
参考:ストレスと脳(東邦大学webサイトより)

つまり、人は苦労し続けると、小さな事で「嫌だ!怖い!」という反応をするようになり、思考能力は低下していくということです。

苦労は「間接的に」人を成長させる事がある

苦労は「間接的に」人を成長させる事がある

一方で、「過去に苦労したことが自分にとってプラスになっている」と感じている人は多いと思います。

あの時の苦労があったからこそ、今の自分がある。
そういう苦労の経験は僕にもあります。

そう考えると、「苦労が人の能力を低下させる」という話と矛盾しているように見えますが、そこには別の要素が関係しているんです。

ここで「苦労が自分を成長させた」と感じている経験について、よく思い返してみて下さい。

その時にあったのは、本当につらく苦しい「苦労」だけだったでしょうか?

それを乗り越えて、楽しいと感じたり、達成感や充実感、満足感を得たんじゃないでしょうか?

実はその経験こそが、人間を成長させるカギです。

人間は苦労だけをしても成長することはありませんが、その苦労を乗り越えて、「苦労するだけの価値がある何か」を経験をした場合には成長することができます。

脳は良くも悪くも学習によって変化するので、

  • 苦労した結果、つらい記憶だけが残った
    → とにかく苦しいことを嫌がり、避けようとする
  • 苦労した結果、それ以上に良い経験をした
    → 苦労を恐れずに行動できるようになる

という変化が起こるわけです。

これは、筋トレなどをイメージすると分かりやすいでしょう。

例えば腕立て伏せなどをやっていると、腕の筋力は疲労によってどんどん弱くなっていきます。

この時、筋肉の内部のミクロの世界では、筋肉の繊維が断裂したりというような事も起ります。

だから、「腕立て伏せを限界までやった後の方が力が出る」なんていう事はあり得ません。

これが「苦労している」状態です。

そして、この状態が回復しないうちに、また無理やり腕立て伏せを続けていると、筋肉は強くなること無く、どんどん細く・弱くなっていきます。

これがいわゆるオーバートレーニングと呼ばれる症状です。

苦労「だけ」し続けた人と同じ状態ですね。

しかし、筋肉が疲労した時点で、ダメージを回復させるための十分な栄養や休養などを与え続ければ、筋肉は失った以上の栄養を取り込んで、より強く・太くなります。

つまり、トレーニングは刺激を与えているだけで、強くなるのは栄養や休養を与えている時なんです。

これと同じ様に、僕たちも苦労を乗り越えて「それ以上の何かを手に入れた」という事が起きた時に、はじめて成長できるというわけです。

人は苦労ではなくドーパミンサイクルに乗って成長する

人は苦労ではなくドーパミンサイクルに乗って成長する

この「何かを達成したことによって成長する」という話は、脳科学的にもかなり詳しく研究されています。

脳の中でどんな反応が起こっていて、どんな物質がそれに関わっているのか?ということまで解明されているので、その事について簡単に説明しておきましょう。

人が何かを「やろう」と思って行動する時、例えば入学試験のために勉強した時や、スポーツの大会で勝つためにトレーニングする時には、大きな「苦労」が発生します。

そして、その結果として目標を達成したり、100%達成できなかったとしても「やった甲斐があった」と感じられると、それは苦労に見合うものが手に入ったという認識につながります。

この時、脳内ではドーパミンという物質が分泌されて、それが感情に変化を与えることになります。

ドーパミンには意欲や快楽を起こさせる効果があるので、これによって脳は「辛いことが合ったとしても、それを乗り越えればこんなに幸せなんだ!」と学習するんです。

これによって人は積極的に行動しやすくなり、そうすると更に物事が達成しやすくなり、さらにドーパミンが・・・という循環が発生します。

これが、ドーパミンサイクルと呼ばれるものです。

失敗を恐れずにどんどん行動していける人というのは、たとえ苦労しても「その先に喜びがある」という考え方が染み付いているからこそ、このドーパミンサイクルに乗ってどんどん行動していけるというわけです。
参考:ドパミン神経系による予測と意思決定の制御機構

逆に苦労が苦労だけで終われば、脳は「努力しても報われない」ということを学習してしまうことになります。

だから、苦しんだり、つらい経験をするだけだと、それは害にしかならないんです。

苦労は買ってでもしろ、の大きな勘違い

苦労は買ってでもしろ、の大きな勘違い

上記のような「人間が成長するしくみ」を理解していない人は、苦労そのものに価値があると勘違いしがちです。

以下のような例は、その典型的なものです。

  • 学生がクーラーのきいた教室で授業を受けたいなんて甘えだ!
  • イジメを受けたって、その経験をバネに強くなれる人もいる。しっかりしろ。
  • 仕事がつらいからって、すぐに辞めるな。逃げずに目の前のことに取り組め。

実際には、ただ苦労だけをしたところで、時間を無駄にしたり効率が悪くなるだけで、良いことは何もありません。

だから、苦労は「買ってでも」しろという言い方には、大事な要素が欠けていると言えます。

苦労というものは、あくまでも何かを目指す上での副産物に過ぎません。

大きな価値を手に入れるための行動をすれば、どうしても難しいことに挑戦することになるので、わざわざ「苦労しよう」なんて思わなくても、どこかで苦労します。

途中で小さな失敗をしたり、必死に頭を使わなければならないということが、必ず出てくるでしょう。

苦労というのは、そんな風に自然発生的に生まれるべきなんです。

つまり、理論的かつ科学的に考えれば苦労は買ってでもしろ、ではなくて、
何かを成し遂げる上で、苦労することを恐れてはいけない
と考えるのが正しいと思います。

今回のまとめ

最後に、今回のまとめです。

ポイント

  • 苦労することそのものに、人を成長させる力はない
  • 苦労し続けると、行動力が落ちて思考力も鈍くなる
  • 人を育てるのは、苦労を乗り越えて何かを達成した経験
  • ドーパミンサイクルが出来ると、ポジティブに行動しやすくなる
  • 大事なのは苦労を求める事ではなく、苦労を恐れずに行動する事
<こんな人にオススメ>
  • 自分が何を望んでいるか、何をしたいかが分からない
  • やるべきことがあるのに、腰が重くて行動に移せない
  • 何かを始めても、すぐに挫折してしまうことが多い
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ROCK

底辺サラリーマン→webビジネスを学んで独立。
現在は現在は好きなことをする「ライフワーカー」を育てるミッションを遂行中。
ハンドルネームはドランクドラゴンの塚地さん公認(笑)。

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