・宝くじが当たる確率ってどれくらいですか?
・宝くじで当たりやすくなる方法はありますか?
庶民なら誰だって一度くらいは、「もし、宝くじで◯億円とか当たったら・・・」なんて妄想したことがあるんじゃないでしょうか。
普通に働いても、残念ながらほとんどの人は一生「億」というケタのお金を手にすることはないと思います。
だから、「そうそう当たるものじゃない」と分かっていながら、「もしも」に期待して買ってみたりする気持ちはよく分かります。
当たる確率が恐ろしく低いということは、たぶん多くの人が分かっているでしょう。
でも、正確な確率としては、いったい何%くらいになるんでしょうか?
そして、番号を選んだりする「ロト6」みたいなものとの間に、確率的な差はあるんでしょうか?
今回は、そういう数字の部分を確認しつつ、「宝くじを買うことの意味」について書いてみたいと思います。
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宝くじは、どれくらいの確率で当たるのか?
「滅多に当たらない」
恐らく、多くの人がそう思っている宝くじ。
まずは、その確率を確かめてみました。
2018年の「年末ジャンボ宝くじ」で考えると、発売枚数はだいたい5億枚くらい。
そして、1等と前後賞でを合わせた数は75本なので、確率としては5億分の75、これをざっくり計算すると670万人に1人くらいの確率ということになります。
参考:宝くじ公式サイト
また、比較のために、「ロト6」についても確認してみました。
43個の数字の中から6つを選び出す方式なので、6つの全てが当選番号と一致する確率は、またまたざっくりと計算すると600万分の1くらいです。
参考:商品情報 ロト&ナンバーズ
その他、他のスクラッチ系クジなどもありますが、1等の金額100万円とか1000万円だったりするので、宝くじやロト6と単純に比べても意味がないでしょう。
そこで、宝くじよりも当選金額が低い他のクジについては、後で別の方法で評価してみたいと思います。
と、話を宝くじに戻しますが、ハーバード大学の専門家の話によると、飛行機事故で死ぬ確率は1100万分の1くらいなんだそうです。
参考:「飛行機は安全」と言える6つの事実
だとすると、宝くじやロト6のようなクジで超高額当選する確率は、飛行機に2回乗る中で死亡事故にあう確率と同じくらいだと言えるかも知れません。
余談ですが、「宝くじがどれだけ当たらないか」を分かりやすく解説した動画を見つけたので、ちょっと紹介しておきます。
「当たる確率」より大事なこと
宝くじで当たるのが難しいという事が、明確な数字として分かったところで、さらに大事な話に入りましょう。
宝くじやギャンブル、投資など、「お金を増やすためにお金を使う」時には、確率よりももっと大事な数字があります。
それは、期待値と還元率です。
まず、クジの期待値というのは、ごく簡単に言うと、出したお金がどれくらいになって帰ってくるかという「見込み」の数字です。
例えば、誰かがクジを10枚作って、1枚1000円で売ったとしましょう。
そのクジを1枚買った人が、いくら返ってくることが期待できるかというのは、賞金の額と当選確率によります。
仮に、10枚に1枚の確率で1万円当たるとしたら、1万円が10分の1の確率で返ってくることになります。
簡単な計算ですが、念のため式にしてみると、
10000万円 X 0.1(確率)=1000円
となって、平均すると、1000円払って1000円戻ってくることが「期待」できる。
つまり「期待値」は1000円ということです。
そして、平均値としては1000円払って1000円帰ってくるわけだから、還元率は100%ということになります。
ただ、こんなクジを売る人はいないでしょう。
100%還元してたら、全く利益にならないどころか、クジを作ったりする費用の分だけ赤字になってしまいます。
商売としてやるなら、10枚に1枚の確率で8000円当たるという風にすれば、残りの2000円が利益になります。
この場合、クジの期待値は800円、そして還元率は80%です。
簡単に言うと、クジを買う人は、1000円支払って800円受け取っているのと同じことになります。
もちろん、期待値が元手を上回っているクジなんて存在するはずはないので、多くの人はそれを理解した上で、自分がラッキーな側に回れることを願ってくじを買うわけです。
でも、たとえ幸運に期待するにしても、期待値が低ければ、それだけその「幸運」を掴める可能性は低くなります。
それでは、宝くじやロト6の還元率はどれくらいなんでしょうか?
実は日本では「当せん金付証票法」という法律で、宝くじ系の商品の還元率の上限は50%と決まっています。
実際に、宝くじやロト6の実質的な(経費などを差し引いた)還元率は、だいたい45%~50%に収まるようです。
つまり、期待値をベースに考えれば、3000円でクジを買って、1300円くらいのお金を受け取ってるような感じになります。
「BIG」なども、基本的にはほぼ同じ還元率で、スクラッチ系のクジの中には40%を切るものもあるようです。
ちなみに、競馬や競艇などの還元率は70~80%。
パチンコは90%弱。
海外のカジノは95%くらいと、どれも宝くじよりかなり高くなっています。
つまり、還元率と期待値で考えると、宝くじはかなりのボッタクりビジネスということになります。
ちゃんと損得勘定をすれば、はっきり言って「問題外」と言えるでしょう。
それなのに、宝くじは、特に日本で非常に人気があります。
その理由の一つは、他にはロクな「一攫千金」ゲームがないからかもしれません。
海外だと、スポーツの勝敗などに賭けるタイプのギャンブルが合法になっていることも多く、日本でいう競馬や競輪のような感覚で参加できたりします。
その還元率は90%であることもザラで、これくらいの数値になると、予想の上手な人なら収入源にできたりする事もあります。
日本でもパチンコなどは還元率が高いので「パチプロ」がいますが、さすがにこれは知識や技術が必要なので、「誰もが気軽に一攫千金を狙える」ものではないでしょう。
だから、何の苦労もなく参加できる宝くじに流れるわけです。
しかし、自分でお金を増やせる能力を持ったお金持ちの人たちは、期待値をベースに考えるので、宝くじには一切期待しません。
その代わり、もっと期待値の高い、他のことに投資してお金を増やしていきます。
逆にお金の無い人は、なけなしのお金を宝くじに使って、さらに財産を減らしていくんです。
これは単にイメージで言っているのではなく、統計的にそういう性質があることが分かっています。
アメリカで行われた調査では、自分を「貧しい」と感じている人ほど宝くじを買う傾向が強いことが分かっているそうです。
参考:なぜ所得の低い人ほど宝くじを買うのか
アメリカにはカジノなどもあるので、その気になれば日本人より有利なギャンブルができるはずですが、それでも「簡単に一攫千金」という方向に、人は流れていってしまうんでしょう。
この事から、宝くじのことを、「愚か者の税金」と言う人達もいます。
つまり、考えが浅い人たちは、自然にそれに吸い寄せられて、お金を払ってしまうことになるということです。
オカルト思想はさらに危険
誤解の無いように言っておきますが、僕は宝くじを買う事そのものを否定しているわけじゃありません。
「当たるかも」と期待することだって、何も悪いとは思いません。
別に「占いは当たる」と思ってない人でも、初詣に行ったらおみくじを引いたりするわけで、行動の全てに合理性が無ければいけないということもないでしょう。
でも、「どうすれば当たりやすくなるか?」という考え方までするようになるのは、非常に危険です。
宝くじのようなものは、基本的に運に頼る他に方法がなく、それを「当てる方法」を追求すると、根拠のないオカルト(神秘的な考え方)に走ったり、人に騙されたりする危険があるからです。
例えば、「この場所で買えば当たる」という話を聞いて、その宝くじ売り場に行列を作って買いにいったり、神頼みをしてみたりするわけです。
そういうものを単に「おまじない」程度に考えているなら話は別ですが、全く根拠のないものを信じて行動する人というのは、そもそも論理的に物事を考えられなくなっていることが多いです。
最悪の場合、「実はロト6の番号は操作されてるんです。その裏情報をこっそり◯◯円で教えます」みたいな事を言う詐欺業者に騙されて、お金を失ってしまうようなこともあります。
またまた参考までに、「ロト6の抽選は、実はボールの中に磁石が仕込まれていて、事前に当たり番号がわかる」と主張する詐欺業者と、その矛盾点にツッコミを入れる人の動画を紹介しておきます。
宝くじよりも期待値の高い投資法とは?
しつこいようですが、宝くじを「お金を得るため」ではなく、「お金を払って楽しむため」に買うのであれば、まったく何の問題も無いと思います。
しかし、「お金がない」と思っている人が、お金を得るために宝くじ買うというのは、根本的に間違った考え方です。
本当にお金が欲しいと思うなら、宝くじのような「娯楽」ではなく、もっと期待値の高いものに投資する必要があります。
株や債権、不動産などはそういう物の候補にはなりますが、
「どうやって投資していいか分からない。」
という人の方が圧倒的に多いんじゃないかと思います。
そういう場合、最も有効なのは、「自分自身への投資」つまり、勉強のためにお金を使うことです。
当たり前の話ですが、この世の中で、誰よりも自分の事を真剣に考えて行動してくれるのは、間違いなく自分自身だと思います。
そういう人に投資をすれば、そこから得られた利益は必ず自分に返ってくるでしょう。
例えば、ビジネス書や投資に関する本などを買って勉強すれば、それが将来的に本の代金以上の価値になる可能性はかなり大きいはずです。
本の値段が1500円だったとしたら、月収が500円増えただけでも、たったの3ヶ月で回収できる計算です。
そして、場合によっては、それが将来の何百万、何千万に化ける事だってあり得るわけです。
しかも、自分自身に投資することによって得られるお金は、宝くじのように一時的なものではありません。
「簡単だから」「すぐに買えるから」という理由だけで、他人のボッタクりビジネスにお金を「消費」するよりも、将来の自分の期待値を上げるために「投資」する方が、ずっと賢いやり方ではないでしょうか。
今回のまとめ
最後に、今回のまとめです。
ポイント
- 宝くじやロト6などの超高額当選の確率は、およそ600万分の1
- 損得を考える上で見るべきなのは期待値や還元率
- 宝くじ等の還元率は50%以下と「問題外」レベル
- 宝くじは損得勘定ができない人からお金を集める「愚者の税金」
- お金が少ない場合は宝くじよりも、自分自身に投資すべき