・働くのって、結局お金のためですよね?
今回はこんな風に、仕事とお金を強く結びつけて考えている人に伝えたい事を書きたいと思います。
・・・なんて言うと「お金より大事なものがあるよ。」みたいなお説教かと思うかも知れませんが、そういう事ではないんです。
僕はむしろ、就職先を選ぶ時の重要なポイントとして「高収入」をあげているくらい、お金を大事なものだと考えています。
(これについては「やりたい事が無いときの仕事選び3つの条件」の記事の中で書いています)
お金を稼ぐことができればできることも増えるし、お金で誰かに仕事を頼めば、自分が自由に使える時間を増やすことだってできますからね。
だから、お金にはしっかりこだわるべきです。
それではなぜ、お金のためだけに働くと「夢が見つかりにくくなる」なんて言うのかというと・・・
それは、お金を稼げる仕事を追い求め過ぎて、本当に好きな仕事(ライフワーク)を見失ったり、さらに大きなお金を手に入れるチャンスを逃す人を見てきたからです。
ここからは、その話について実例をもとに説明していきます。
なので、「他人より少し収入が高いだけの仕事」で満足したくないなら、ぜひこのページの内容を読んでみてください。
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お金のためだけに働くと「手段」が「目的」になってしまう
どうせ働くなら、お金をたくさん稼ぎたいと思うのは当然です。
将来会社を作りたいとか、お店を開きたいという夢がある人にとっては、とりあえずお金のためだけに仕事を選ぶという選択も当然あるでしょう。
また、僕は「今はやりたいことが見つからない」という人に対しても、将来の選択肢を広げるために貯金することをすすめています。
(これについては「将来やりたい事が見つからない時に「貯金」をすべき3つの理由」の中で書いています)
ただし、どんな場合でも、お金は何かをするために「手段」であって「目的そのもの」ではないということを意識しておいてほしいんです。
それを見失うと、目先の金額だけにとらわれて、ずっとお金のためだけに働くことになりかねないからです。
ここで、僕が起業の準備をしている時に知り合った、ある女性の話を紹介しましょう。
お金のためだけの仕事から離れられなかった女性の話
その人には将来叶えたい夢があったんですが、普通の会社でフルタイムの仕事をしていると時間的に余裕がない、という理由でホステスの仕事をしていました。
いわゆるキャバクラみたいなお店だったようですが、彼女がその仕事を選んだ理由は「時間の割に稼ぎがいいから」です。
やりたい事のためにお金を貯めたいから、とりあえずはお金のためだけに働いて、しばらくしたら転職するつもりだったそうです。
しかし、実際にホステスをやってみると、思っていたよりも大変な面もたくさんありました。
確かにお金は普通のOLより稼げる。
でも、生活が不規則で夜遅くまでお酒を飲むので、どうしても体調も壊しやすくなり、思ったよりも時間に余裕がありません。
労働時間の割に稼げるとは言っても、なかなか他の事をやる余裕ができなかったわけです。
お金のためだけに働くにはいいけれど、長く続けられる仕事でもない。
そう感じた彼女は、20代半ばを過ぎた時にホステスを引退することを決意しました。
そしてとりあえず「普通の仕事をするためのリハビリ」的な感じで食品工場での仕事を始めたんですが、その時に水商売の経験がマイナスになったんです。
キャバクラでは、時給で言うと3000~5000円くらい稼いでた。
でも、工場での仕事だと時給はたったの800円ちょっと。
朝から晩まで頑張って働いても、お客さんと一緒に2時間お酒を飲んでおしゃべりしてた時より収入が少ない・・・。
そんな現実にだんだんと虚しさを感じるようになり、彼女は数カ月後にまた水商売の世界に戻ってしまいました。
彼女にとって、ホステスの仕事でお金を稼ぐことは、将来の夢を叶えるための手段だったはずです。
しかし、その収入の水準に慣れてしまったために、お金を稼ぐことそのもののために仕事を選ぶことになったわけです。
僕は別に水商売が悪いとは思いませんし、彼女の選択が間違っていると言いたいわけでもありません。
もしかしたら彼女は、水商売の世界の中で新しい夢を見つけるかも知れませんし、何が「正解」かなんて他人が決めることでもないでしょう。
でも、目先のお金だけのために働いていると、本当にやりたい事をするチャンスを逃すこともある、ということだけは知っておくべきだと思うんです。
高収入の仕事に限らず、お金のためだけに働くことが習慣として染み付いてしまうと、その状態を守ることが目的になってしまう人は決して少なくありません。
そういう人は、
とりあえず、今の自分にできる仕事がある。
転職したりしたら、収入が下がりそう。
それだけの理由で、現状維持のためだけにずっと働き続けます。
安定を重視して仕事を選ぶのも一つの選択としてはアリだと思いますが、その仕事がずっと続くという保証はどこにもありません。
ましてや肉体労働や夜勤の仕事、水商売などの場合は、年齢によって収入を維持できなくなる事も多いでしょう。
それを考えずにお金のためだけに働いていると、知らない間に貴重な時間を切り売りして、
「自分の人生は何だったんだろう?」
なんて事にもなりかねません。
確実性を求めることは、可能性を捨てること
最近、独立起業をする人達の間で使われている言葉に「時給脳」というものがあります。
これは、誰かに雇われて働いていると「1時間あたりいくら」という金額が価値基準になってしまうという話です。
会社員の場合は「日給脳」かもしれませんが、とにかく「時間あたりのお金」で計算するという意味では同じです。
そして、この「時給脳」は夢に向かって行動する上で、大きな足かせになるんです。
例えば、自分でビジネスを始めようとしたとき、最初の準備段階ではずっと「時給0」になることはよくあります。
というより、ほとんどの場合は売上や収入が無い状態で経費だけがかかるので、時給で考えればマイナスでしょう。
それでも多くの人が起業に挑戦するのは、それを乗り越えたところに大きなチャンスがあると信じているからです。
でも、目先のお金のためだけに働き続けて時給脳になっている人は、
「3ヶ月もも必死で働いてるのに1円にもなってない、なんで自分はこんな事やってるんだろう?」
「もしかしたら、これは無駄な努力なのかもしれない。ちゃんと働けば、確実に◯◯円は稼げるのに・・・。」
と感じて、すぐに挫折してしまいます。
どんな世界だって、確実に手に入ることが約束されているものの価値というのは、そんなに大きくないんです。
スポーツでも芸術でも何でも、
「これだけやったら成功できるよ。」
と保証されて、それをこなして成功した人なんていないでしょう。
どれだけ練習しても、試合に勝てるかどうかは分からない。
どんなに苦労して絵を描いても、誰かに認めてもらえる保証はない。
人一倍努力して新しい製品を作っても、それが売れるとは限らない。
そういう状態で努力できない限り、手に入るのは約束された最低限のものだけです。
つまり、保証を求めるということは、それ以上の部分を全部放棄することと同じなんです。
誤解のないように言っておきますが、僕は別に「お金のためだけの仕事は捨てて、今すぐ夢のために行動しましょう!」と言っているわけじゃありません。
目先の安心や安定(に見えるもの)にとらわれて、小さな挑戦をする事すら忘れてしまうと、夢や生きがいは見つかりにくくなりますよ、ということを伝えたいだけです。
目先のお金のために人生を犠牲にしたとしたら、少しくらい通帳の残高が増えていたところで、そんなものに大した意味はないですからね。
今回のまとめ
最後に今回の内容を簡単にまとめておきましょう。
ポイント
- お金だけのために働くと、お金以外の動機で働きづらくなる
- 確実に手に入るお金にこだわると、大きなチャンスは掴めなくなる