・好きな事、やりたい事が何も思い付かない
こういう人に向けたワークのやり方を解説していきます。
自己啓発などの本を見ていると、よく「やりたいことリスト」を作りましょう、という話が出てくると思います。
やりたいことリストは確かに「自分が何を望んでいるか」ということを「見える化」するために有効な方法の一つではあるんですが、残念ながらリストを作ろうとしても「書くことが思い浮かばない」という人は多いんですよね。
そこで数年前に考えたのが、従来のやりたいことリストの変形版とも言える、この「裏バケットリスト」のワークです。
これによって、自分が何を望んでいるかということが分かりやすくなった、という人は多いので、ぜひ参考にしてみて下さい。
なお、今回紹介するワークは、「やりたくないことをちゃんと実行する」ためのものではありません。
気がのらないこと、面倒なことを「きちんとやる」ための方法については、以下のページを読んでみて下さい。
「やるべき事をやる人になるための4ステップ」
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やりたい事リストの作成は意外と難しい
よく紹介される「やりたいことリスト」ですが、これは実際に取り組んでみると、意外なくらい何も出てこない、ということがよくあります。
そもそも「やりたいこと」というテーマは、質問の幅が非常に広い上に、普段の生活の中ではあまり意識されることがない考え方だからです。
そこで、今回紹介する「裏バケットリスト」のワークでは、やりたいことではなく、まずは「やりたくないこと」の方をリスト化してくようにします。
つまり「何が好きか?」「何をやりたいか?」よりも先に、
「これだけは絶対嫌だ!」
っていうことをハッキリさせるということです。
もともと人間の脳には、自分の特になることを追求するよりも、損になることを避けようとする性質が強いと言われています。
(これは行動経済学の世界では「プロスペクト理論」という呼び方でよく取り上げられる性質です)
参考:プロスペクト理論(Wikipediaより)
なので、特に意識せずに行動していると、人は自然とネガティブな考え方に偏りがちになります。
だから、「いつか南の島に行きたい。」とか「将来は自分のお店を持ちたいな。」という話に比べて「明日仕事やだなぁ。」とか「会社の人間関係がストレスなんだよね。」という話をしている人のほうが、明らかに多いですよね。
「やりたいことリスト」よりも「やりたくないことリスト」の方が、作業のハードルとしては低くなるわけです。
やりたいことリストは通称「バケットリスト」とも呼ばれるので、今回のワークはその逆という意味で「裏バケットリスト」と名付けてみました。
そして、この裏バケットリストを作っておくと、やりたい事を作る時にも、あらかじめ候補を絞れる分だけ、リストの作成が楽になります。
いわゆる消去法ってやつですね。
例えばですけど、
「晩ゴハン何食べたい?」
って言われた時に、
「今日はコレ食べたい!」
って決めるのは、けっこう難しいじゃないですか。
で、
「う~ん。なんでもいいよ。」
とかテキトーに答えると、意外と食べたくないメニューが出てきて、
「そういう気分じゃないんだよな。」
みたいな気分になる。
「何でもいいって言ったじゃん!」って話ではあるんですけど、さっきの解説の通り、得することやポジティブなことから考えていくというのは、意外と難しいわけです。
だから、
- 脂っこいものは嫌だ
- お昼に食べたカレー以外の物がいい
- 疲れたから自分で料理したくない
という事を先に考えてみる。
こっちの方は比較的簡単なので、その結果を踏まえて、
「じゃあ、近所にある2件のレストランのうち、とりあえず和食メニューが豊富な方に行くことにしよう。」
みたいに選択肢を絞れば、自分が何をしたいのかが分かりやすくなる、ということです。
やりたくないことをリスト化→共通要素を見極める
それでは、裏バケットリストの作成方法を具体的に説明していきましょう。
やり方は比較的シンプルで、まずは仕事や私生活の中で、嫌だと思うことをひたすら書き出していきます。
こんな感じですね。
なかなか書くことが思い浮かばないという場合は、机に向かってリストを作るのではなく、普段から何かを「嫌だなあ」「やりたくないなあ」と思った時にメモしておくのがいいでしょう。
僕の例だけど見ると「ダメなサラリーマンの典型」みたいになってしまっていますが(苦笑)色々な人にやってもらうと、その内容は驚くほど違う結果になります。
例えば僕の周りでは、
「お客さんを騙したくない。」
「家族に迷惑をかけたくない。」
「他人に嫌われたくない。」
というようなことをリストに書き出している人が結構多かった気がします。
次に、ある程度リストがたまったら、全体をざっと見渡して「やりたくないこと」に共通すること(要素)が何かということを考えてみます。
画像の例は、僕がサラリーマンだった時代の裏バケットリストのものですが、通勤や会社での人間関係に対するストレスは、結局自分の予定ではなく他人や組織の予定に振り回されているというところから来ていると考えられます。
また、僕がいた会社の場合は、単に安月給なだけではなく、個人の業績が報酬につながるような仕組みがほぼ存在しなかったので、どうやっても「金銭的に報われない」という問題から逃れられていなかったわけです。
こんな風に、やりたくないことの共通点を見つけるようにしていくと、その反対の「やりたいこと」の方向性が見えやすくなります。
僕の場合は最終的に、ほぼ自分の都合だけで予定を立てて、良くも悪くも個人の実績次第で収入の金額が決まるという個人事業主の道を選んだので、完全にこのリストとは逆の方向に進んだことになります。
やりたくないことを明確にすると「最悪の選択」を避けられる
裏バケットリストによってやりたくないことを明確にしておくと、仕事や会社を選ぶ上で最悪の選択を避けることができます。
例えば僕のように、他人のペースに合わせて働くことが向いていない人間が、営業や接客がメインの仕事を長く続けていたら、すぐにストレスが限界値を超えてしまうでしょう。
僕のところに来る相談の中には、
「私には夢があるんです。でも、そのためにはお金がかかるので、とりあえず我慢してお金になる仕事をしようと思います。」
というようなものが何件かありましたが「我慢」にも限界というものがあります。
予定通りの期間でその会社を「卒業」して夢に向かえるとは限らないわけですから、そうならなかった場合のことも想定しておくべきです。
心のバランスを崩してうつ病にでもなったりしたら、回復するまでに年単位の時間がかかることも珍しくないので、くれぐれも最悪の選択をしないように気をつけて欲しいと思います。
今回のまとめ
最後に、今回のまとめです。
ポイント
- やりたくない事リストはやりたい事リストより作りやすい
- やりたくない事リストは、やりたい事の絞り込みに役立つ
- やりたくない事リストの作成法
1.嫌だと感じることをリスト化する
2.複数の項目に共通することを見つける - やりたくない事リストは「最悪の選択」の回避にも効果的