・株の基本的な知識を知りたいです
・株で儲けるにはどうすればいいんですか?
お金の話をする上で、「株」というものの存在を無視することはできないでしょう。
大きな会社の名前には大体「株式会社」と付いているし、ニュースでも経済のコーナーになると、必ず「今日の日経平均株価は・・・」なんて言ってる。
現実世界ではもちろん、映画やドラマでも「株で儲けた」とか「大損した」という話がしょっちゅう出てきます。
そこで今回は、投資で儲けたいと思っている人や、会社を作りたいと思っている人に必須な「株」の基本的な知識について解説していきましょう。
株の基本的なしくみまもちろん、なぜ儲かったり損したりするのか、なぜニュースでは「日経平均株価」の話をするのか等についても、できるだけ分かりやすく書いてみたいと思います。
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目次
株のはじまりは「共同購入」
はじめて世の中に株というものが出来たのは、大航海時代だと言われてます。
大航海時代っていうのは、15世紀から17世紀にかけて、船による冒険や貿易などが一気に拡大した時代のことです。
有名な出来事としては、コロンブスがアメリカ大陸を発見したのも15この頃ですね。
映画で言えばパイレーツ・オブ・カリビアンあたりの雰囲気でしょうか。
もちろん魔法や呪いや、特殊能力などは登場しなかったと思いますが(笑)。
この時代には、大きな船を作って航海に出て、遠くの国から色々なものを持ち帰ってくると、お金がガッポリ儲かったんです。
物の値段が場所によって全然違ったので、「あっちでは安く買えるものが、こっちでは高く売れる」ということがあったわけです。
でも、船を作って、さらに船乗りを雇って海に出すには、かなりの大金が必要になります。
しかも、今みたいにハイテク技術が発達しているわけでもないし、海賊がそこらをウロウロしているような時代。
積荷が悪い奴らに奪われてしまったり、嵐で船が沈んでしまったり、遭難してしまったりということも頻繁に起こりました。
だから、相当なお金持ちであっても、もしも自分がお金を出して出港させた船に何かがあったら、一文無しになりかねないわけです。
さすがにそれでは、背負うリスクが大きすぎる・・・
そこで、みんなからお金を集めて、そのお金を元手に船を出すというしくみができました。
これが株のはじまりです。
この方法なら、船が沈んでも一人だけが大損することはありません。
で、ちゃんと船が返ってきたら、その時は儲けをみんなで分ければいい。
- ほんのちょっとしかお金を出さなかった人は、ほんのちょっとの分け前
- たくさんお金を投資した人は、たくさんの分け前
という風にしておけば、公平にお金を分けることができて、ケンカにもなりません。
さらに、株の仕組みを使えば大金を持っている人だけでなく、少ししかお金を持っていない人でも、自分が出せる範囲でお金を出すことができます。
「1億円出せなければ投資できない」となったら、一部のお金持ちしか参加できませんが、「1口1万円」なら庶民も投資に参加できますからね。
それによって、より多くのお金が集まるので、船を出したい人や会社は商売をしやすくなり、たくさんの船が貿易をすることで、世の中はさらに豊かになる、ということです。
現代の株も、基本的にはこの流れをそのまま引き継いでいます。
会社を運営するためのお金は、場合によって何十億とか何百億とか、それ以上になることもあります。
これを特定の個人や、一つの会社が出すのは難しいでしょう。
しかし、株券という形の小さな単位で投資ができるようにすれば、範囲が広がる分だけお金が集めやすくなります。
万が一会社が倒産してしまったりした時にも、株数の分だけダメージが分散するので、投資家は自分のフトコロ具合に合わせてリスクを調整できるわけです。
株式のことを「二十世紀最大の発明」なんて言う人もいるそうですが、もしも株というものがなかったら、今の世の中はこれほど経済的に発展していなかったかも知れません。
株で儲けるってどういうこと?
それでは、現代の社会で「株で儲ける」ためには、いったい何をすればいいんでしょうか?
これには、大きく分けると2つの方法があります。
株を持つことで「利益の分け前」をもらって儲ける
これは、株が最初に作られた頃と同じ様に、お金を出して株を買うことで、会社が出した利益の一部を受け取るという方法です。
ある会社が発行している株を買うということは、その会社の権利を部分的に買うということです。
そして、会社が商売をして利益が出た時には、その利益が株を持っている人(株主)に配られます。
これは「配当」(配当金)と呼ばれていて、株主は会社が利益を出し続ける限り、持っている株の数に応じて配当を受け取ることができます。
配当を何度受け取ったとしても、株券が消えて無くなるわけじゃないので、たくさんの株を持っている人は、配当金だけでかなりの金額を受け取っていることもあります。
また、配当とは別に、会社は株主に会社が作った製品や、製品やサービスを安く利用するための割引券を配ったりします。
これは、株主優待と呼ばれるものです。
例えば、スーパーを運営する会社の株を持っていると、そのスーパーでの買い物が10%引きになる「株主優待券」が配られたりするわけです。
ちなみに、配当や株主優待など、株の「権利」によって得られる利益は「インカムゲイン」と呼ばれています。
株そのものを売買して、差額で儲ける
もう一つの儲け方は、株を買った会社の利益とは関係なく、株そのものを売り買いして儲ける方法です。
会社の株は、最初に発行された時に買った人がずっと持ち続けるとは限りません。
誰かに「株を売ってください」と言われたら、その人に売ってしまってもいいわけです。
もしも株を誰かに売ったら、配当や株主優待を受け取る権利も、その株を買った人に移動します。
そして、買った時と売った時の値段が違えば、それが利益や損失になるわけです。
例えば、1万円で買った株を誰かに2万円で売れば1万円の利益になりますし、逆に5000円で売ったとしたら5000円の損失になります。
ただし、株を売り買いするとは言っても、「ちょっと株を買いに行ってくる」とお店に出かけたり、株を売る相手に宅配便で株を送ったりする必要はありません。
今は銀行口座のお金と同じ様に、「株を誰が持っているか」という情報は電子化されているからです。
実際には、インターネット上で操作をしたり、株を管理している証券会社に電話して「僕の株、売ります」と言って必要な情報を伝えるだけで、その注文が自動的に処理されます。
人気のある株は、たくさんの人が買いたがるので「1万円で売ってくれ」「いや俺なら1万1000円出す」という風に、どんどん値段が上がっていくので、そうやって値上がった株を売れば、大きな利益を出すことができます。
逆に、売りたいと思っても全然買ってくれる人がいなければ、誰かが「その値段なら買ってもいいよ」と言ってくれる金額まで値段を下げなくてはならないので、株の値段はどんどん下がっていくということです。
ちなみに、株を売買することによって得られる利益は「キャピタルゲイン」と呼ばれています。
日経平均株価ってなに?
ニュースでよく聞く言葉の一つに、「日経平均株価」というものがありますよね。
これは名前の中の「平均」という言葉から分かるように、複数の株の値段の平均という意味です。
日本経済新聞社という会社が、東京証券取引所というところで取引されている株の中から、225種類をピックアップしていて、その225種類の株価の平均が「日経平均株価」というわけです。
なお、どういう基準で225種類が選ばれているのかと言うと、それは「日本の株式市場を代表する会社」という事だそうです。
そして、ニュースなどで必ず日経平均株価の事を伝えるのには理由があります
日経平均株価が大きく上がるということは「多くの株の値段が上がっている」ということ。
言い換えれば「株の世界に多くのお金が流れ込んでいる」というを意味していて、これによって世の中の経済の動きを判断することができるからです。
ちなみに、日経平均株価とよく一緒に出てくる言葉として「ニューヨーク・ダウ」とか「ダウ平均」と呼ばれるものがあります。
これはアメリカで取引されている株の中から「S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス」という会社が選んだ30種類の株の値段を平均したものです。
日本の株に関しては日経平均株価で、アメリカの方に関してはダウ平均で、その流れを何となく把握できるということですね。
今回のまとめ
最後に、今回のまとめです。
ポイント
- 株は「みんなで商売のための資金を出し合う」しくみ
- 株という単位に分けることで、多くの人から資金を集められる
- 会社の利益は、持っている株に応じて分配される
- 株で設ける方法はインカムゲインとキャピタルゲインの2種類
- 「日経平均」や「ダウ平均」は、日米を代表する株の値段の平均