・お金の勉強は何から始めたらいいですか?
お金と上手に付き合っていくために、あるいは「お金持ちになりたい!」という野望のために、経済について勉強したいという人は多いと思います。
しかし、いわゆる学校の科目としての「政治経済」だと、ちょっと範囲が広すぎてイチから勉強し直すのはかなり大変だし、何より面白くないですよね(笑)。
そこでこのサイトでは、身近な「お金の話」に関係するところから、実践的な経済学についての話を、できるだけ分かりやすく書いていこうと思います。
いずれは、今の僕の収入源の一つになっている投資などについてもまとめていくつもりですが、今回は基礎の基礎ということで「なぜ経済を勉強すべきなのか?」という事について書いてみることにしました。
過去の金融業者の悪行(?)などについても書いているので、お金を支配する人たちに騙されないためにも、ぜひ読んでみて下さい。
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経済を勉強すれば「何をすればいいか」が分かる
テレビのCMやネット広告で便利そうな家電製品を見かけたとき。
洋服屋さんでオシャレな洋服を見つけたり、レストランで美味しそうなメニューが目に止まったとき。
たぶんほとんどの人は、次にこう思うことでしょう。
「で、いくらで買えるの?」
と。
電車に乗る時や、どこかのホテルに泊まる時、さらに、緊急事態になって病気や怪我の治療を受ける時でさえ、お金の心配から完全に離れる事は難しいと思います。
そんな風に、お金は僕たちの判断のほとんどに関わっているものです。
いや、さらに言えば、世の中の大多数の人達は「お金に支配されて生きている」と言ってもいいくらいです。
お金のために人を騙したり、場合によっては誰かを殺したりする事まである。
それくらい、お金の影響は大きいわけです。
それなのに、僕たちのほとんどは「お金について教育」を受けたことがありません。
義務教育に国語・算数・理科・社会・英語はあっても、「お金」はない。
学校では「これ、何の役に立つの?」ということもたくさん習うのに、生活に密着したお金の勉強は、社会科のオマケ程度の脇役です。
「政治経済」という科目もありますが、あくまでも「世の中全体の動き」という感じで、身近なお金のことに関連した話が出てくることはまずないですよね。
お金というものがどんな性質を持っているのか?そして世の中をどういう風に流れていて、どうすればお金持ちになれるのか?
そういうリアルな経済の話は、ほとんどの人がボンヤリとしか知らないんです。
もちろん、学校の先生も例外ではありません。
特に日本はお金に関しての教育が非常に遅れているので、例えば「株」というものが何なのかということは、「大人になって自分で勉強するまでよく知らなかった」という人のほうが多数派です。
小学校の頃から授業で株の事を習っている欧米の子どもたちとは、環境が全く違います。
そういえば、以前にどこかの小学校が、クレジットカード会社の人を読んで「お金に関する勉強」をやった、という話がテレビで報道されていたのを見た事がありました。
「最近はこういう事まで教えている」というアピールをしたかったんでしょうが、そんなことをやっている時点で、日本のお金に関する教育レベルの低さがよく分かります。
だって、クレジットカード会社の人が、「リボ払い(カード会社がガッツリ設けるための、利子が雪だるま式に増える支払い方法)はやめといたほうがいいですよ!」なんて、本気で教えるわけ無いと主ませんか?(笑)。
まあ、何もしないよりはマシなのかも知れませんが、少なくとも今の日本の「お金の教育」は、実社会で役立てていくには程遠いレベルだと言えるでしょう。
特別な才能を持たない「普通の人」が裕福になるためには、経済とお金に関する勉強が絶対に必要なんです。
例えば、普通の人は借金に悪いイメージがあって、貯金を良いものと考えますよね?
しかし、お金持ちは同じ借金にも良い借金と悪い借金があり、良い借金が富を生み出すことを知っています。
だから良い借金で集めたお金を上手に活用して、普通のサラリーマンがコツコツ働いただけではとても手に入らないような財産を、短期間のうちに作れたりするわけです。
逆に、ほとんど金利の付かない貯金というのは「悪いお金の使い方」、もっと言えば「死に金」と考えることすらあります。
今の日本の銀行預金の金利はあまりに低すぎて、物価の上昇の方が速いので、銀行に預けっぱなしにしているお金は、実質的には「減っている」わけですから、これも当然と言えるでしょう。
そういう事をきちんと分かっている人と、人に言われるまで気づかない人では、仮に現時点で入ってくるお金が全く同じだったとしても、将来の結果が大きく違ってきます。
経済は、一定のルールに従って動くゲームのようなものです。
だから、お金がどのように世の中を動いているかがわかれば、ゲームの攻略法がわかります。
ゲームというのは、「攻略法を知っているだけでうまくいく」わけじゃありませんが、少なくとも「何をすべきなのか」ということは分かるようになるはずです。
だから経済の基礎を勉強して、少しでもお金持ちに近づく道を歩いていきましょう^^。
経済を勉強しないと貧乏クジを引く
ちょっと話はそれますが「学ばないことによるリスク」について、僕の中でとても印象に残ったエピソードがあります。
ある発展途上の国では、先進国から来たボランティアの人たちが
「この水にはヒ素が含まれているから飲んじゃダメですよ」
と何度も何度も指導しても、
「汚れてないのに、なんで飲んじゃいけないの?」
と、なかなか聞き入れてもらえないんだそうです。
ヒ素は水に溶けても無味無臭で、飲んでもすぐに健康被害が出るわけではないからです。
もしも、化学物質の毒性や、公害などについて教育を受けたことがある人なら、
「この井戸水には基準値を超えるヒ素が含まれている。」
と聞いた時点で、絶対に飲まないようにするでしょう。
しかし、全く何の知識もない人にとっては「自分の知っていることが全て」になってしまうんです。
知らないという事は、とても恐ろしいことです。
子どもの頃は誰でも、
「何のために勉強するの?」
なんて疑問を持ったりすることがあると思います。
その答えの一つが、もしも知識が無かったとしたら、危険なものが危険であることにも、損な取り引きが損であることにも気づけないということです。
例えば、少し前に仮想通貨(今では「暗号資産」が正式名称になっています)の1つである「ビットコイン」が大きく値上がりしたことを覚えている人は多いでしょう。
その「ビットコインフィーバー」の最中、「ある知識」を知らなかった人たちは、ビットコインを購入する時にかなりの損をしてしまいました。
実は、仮想通貨を購入できる場所には「取引所」と「販売所」の2種類があって、全く同じ業者を使ったとしても、「取引所」を使った方が、ずっと有利な値段で売買できるようになっていたんです。
全く同じタイミングでビットコインを買ったのに、取引所だと50万円、販売所だと50万5000円というような感じになっていたということです。
一応、販売所のほうが「画面がシンプルで初心者向け」みたいな事がアピールされていましたが、ちょっとやり方を調べるだけで有利な取り引きができたわけですから、やはり「知らないのは損」という他ありません。
経済を知らないと騙されることも
「経済のことを勉強しておかないと損をする」とは言っても、その損失の内容が大きくなければ、深刻な事態にはならないかもしれません。
ビットコインを少しくらい不利なレートで取引したとしても、金額的な損失はせいぜい数パーセントくらいでしょう。
それで財産を失ったり、路頭に迷うような事は無いと思います。
しかし、経済に関する勉強を全くしていないと、場合によっては人(あるいは会社)に騙されて、ひどい目にあうような事にもなりかねません。
実際に、多くのアマチュア投資家がお金を失ったときの話を一つ紹介しておきましょう。
投資商品の一つに「EB債(他社株転換債)」というものがあります。
EB債というのは債権の一つで、債権というのは「貸したお金を返しなさいよ」と要求する権利のことです。
参考:仕組み債による証券会社「荒稼ぎ」の手口(東洋経済オンラインより)
僕たちが銀行に貯金するのも「銀行にお金を貸している」のと同じですから、まあEB債も一種の貯金のようなものだと思ってください。
ただし、普通の貯金と違って、預けたときよりも少なくなって帰ってくる可能性がある。
その代わりに、普通の貯金よりも増えて帰ってくる可能性がある。
そんな風に、チャンスとリスクの両方が含まれている貯金です。
ちなみにこのEB債ですが、どういうときにお金が減ったり増えたりするのかというと、「あらかじめ決めておいた株の値段(株価)によって決まる」というしくみになっています。
例えばA社という会社の株があって、
- 株価が上がったとき・・・普通の預金よりも高い利息が付く
- 株価が下がったとき・・・お金の代わりにA社の株を渡される
という風になっていたんです。
(※これはあくまで一例で、EB債の種類によって条件は変わります)
そして、銀行や証券会社ではその昔、投資家にとってメチャクチャ不利なEB債を発行していたことがあるそうです。
例えば、1万円を預けた時のA社の株価が100円だったとして、
- A社の株価が150円になったら11000円になって帰ってくる
- A社の株が50円になったら、5000円分の株が帰ってくる
というような感じのものです。
つまり、最初に預けた1万円は、それを預けた時点でA社の株になっていて、その株が値上がりすれば利益の一部が現金で、逆に値下がりしたら値下がりした株がそのまま帰ってくるということです。
これっておかしいと思いませんか?
銀行や証券会社は、預かったお金で株を買うわけですから、絶対に損をしません。
株が値上がりしても、EB債を買った人に渡す(返す)のは、その値上がりによって得た利益の一部だけ。
なのに、株価が下がったら、その株を投資家に押し付ければいいという話です。
そんな恐ろしいルールで売られていた金融商品があったわけです。
どこかの怪しい業者ならともかく、今でも営業している大手の銀行や証券会社がそんな酷い金融商品を売っていたというんですから驚きです。
株のしくみをちゃんと知っている人なら絶対買わないと思いますが、
「条件さえそろえば、利子がたくさんもらえてオトクですよ♪」
という言葉に誘われて、多くの人がEB債を買いました。
そして銀行だけが儲かり、経済をよく知らない投資家の人たちは大きな損をしたわけです。
しかもこのEB債の事件では、株の価格の不正操作が行われていたという噂さえあります。
EB債には特別ルールとして、株価が一時的にでも一定の価格以下に値下がりしたら、購入した人に渡すお金が少なくなるような設定がありました。
それを知っていた投資会社などが株の値段を意図的に下げて、EB債を購入した人に返すお金を少なくして儲ける・・・という悪どい事を行っていたという話です。
これがどこまで本当の話なのかはよく分かりませんが、最低限の経済の勉強だけはしておかないと、そういうとんでもない悪事に巻き込まれて、財産を失うことにもなりかねないわけです。
そういう被害を防ぐためにも、経済の勉強は欠かせないものだと思います。
今回のまとめ
最後に、今回のまとめです。
ポイント
- 多くの人が、経済に関する十分な教育を受けていない
- 経済の勉強をすると、お金のために「何をすべきか」が分かる
- 経済の知識が足りないと、金融商品を正しく評価できない
- 経済の知識が足りないと、不利な儲け話に騙されることも