・好きな仕事をできるのは、限られた一部の人だけだよ
・「好き」よりも安定した仕事に就かないと将来が不安
今回は、こういう考えを徹底的に論破していきます。
他のページにも何度も書いていますが、僕は脱サラ独立組です。
今は独立して好きなことを仕事にしていますが、その前にはフリーターや非正規雇用、そして正社員として働いていたこともあります。
また、学習用プログラムの配信などを通して、好きなことで成功している人、好きなことで挫折した人、好きではないけれど生活のために必要だから働いている人、全てのタイプの人と交流してきました。
ここから先に書くのは、その上で僕が出した「結論」のようなものです。
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目次
「自分が好きなことを仕事にできるとは思えない。」
これに関しての僕の回答は、ズバリこれです。
「むしろ、仕事にならない「好きなこと」なんて、ほぼ存在しないと思いますよ。」
「好きなこと」がマイナーでも仕事にできる時代になった
インターネットや通信技術、その他の進歩によって、今は「超」が付くほどマイナーな「そんな事やってる人いるの?」というレベルのものまで仕事にできる時代になってきました。
多くの人が知識を共有することで、人々の興味や趣味そのものも多様化して、新しいビジネスのチャンスが生まれるサイクルも早くなっています。
何と言っても「泥団子を作る」という遊びが本になって出版されたり、グッズが売られているくらいですからね。
一応説明しておきますと、ここでいう泥団子というのは、子供が砂場や庭などで遊んでいる時に、砂や土でつくる団子のことです。
当然、それ自体は何の約にも立ちませんが、泥団子を色々な技術を使ってピカピカにしたり、表面にしっくいで色を付けて宝石のようにしたりと、とてつもない進化をとげています。
そんな物が仕事になるなんて、普通は考えないですよね。
ものづくり以外にも、最近では「ひたすら人の愚痴を聞く」という傾聴ビジネスや、海で流木を拾ってインテリアの材料として売る仕事などもあったりします。
それを考えると、むしろ「仕事にならない」分野を探す事の方が難しいくらいです。
もちろん、好きなこと「だけ」しかやらないというのであれば、それは仕事にならないと思いますが、それはどんな分野でも同じですからね。
好きなことを仕事にする人が新しいカテゴリーを作る
話はグッと大きくなりますが「人生がときめく片づけの魔法」の著者である、「こんまり」こと近藤麻理恵さんも、好きなことを仕事にした人の一人だと思います。
今はアメリカでも活躍していて、アメリカのTIME誌が発表している「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれるなど、まさにハリウッドスター級の活躍をしています。
参考:Marie Kondo Boxes(TIMEの記事)※英語
実際、僕は日本に来ているアメリカ人の若者数人に「マリエ・コンドウっていう名前聞いたことある?」と言ってみたら、すぐに「うん。有名だよ。」「うちの母ちゃんも本読んでたよ。」という答えが帰ってきました。
でも・・・
こんまりさんがあの本を発売するまで「片付け」が海外まで広がる大きなビジネスになるなんて、ほとんどの人が考えていなかったはずです。
でも今は「片付けコンサルタント」的なことを仕事にしている人がたくさんいますし、テレビでも片付けに関する特集がしょっちゅう組まれています。
いつだって、誰かが最初の一歩を踏み出すまで、周りは気付かない。
そして、それを実現するのは、好きなことを仕事にした人たちなんだと思います。
好きなことを仕事にした人たちの成功例を紹介すると、
「いくら好きなことでも、第一人者にならないとダメでしょ?」
「あの人は能力や経験、才能やセンスがすごかったから出来ただけだよ。」
とか、
「自分は平凡だから、好きな分野でも大したことはできないよ。」
という人が本当に多いです。
確かに、その世界でナンバーワンの存在になりたかったらそうだと思います。
ただ「好き」とか「得意」というだけでは、飛び抜けて優秀な人や強烈なキャラクターを持っている人には勝てないでしょう。
でも、「仕事として成り立つ」という条件で言えば、ナンバーワンどころか上位グループに入らなくても大丈夫です。
例えば、君が利用するお店、購入するものは、全て「一番人気」で「他よりも優れている」というわけじゃないですよね。
少し上の方にも書きましたが、今は多様性の時代ですから、ナンバーワンやオンリーワンじゃなくても、十分に仕事として成り立ちます。
実際、僕が最初に筋トレをテーマにしたサイトの運営からビジネスをスタートさせましたが、僕は別に人よりも力が強かったわけでも運動に関する専門家だったわけでもありません。
ただ、当時存在していた他の筋トレサイトとは、ちょっと違う切り口で筋トレについての情報を配信しようと思い、それを行動に移しただけです。
「好きな仕事をできるのは、限られた一部の人だけだよ。」
これはある意味事実かもしれません。
でも、そもそも「一部の人しか好きなことを仕事にできない」のは「一部の人しかやろうとしない」からだと僕は思います。
「大成功」を狙わなければ、多くの人が実現可能
「どれくらいの人が好きなことを仕事にしようとして挫折したか」
というようなデータを見つけるのは不可能なので、あくまでこれは個人的な見解ですが・・・。
少なくとも、僕が直接関わった人の中で、数年単位の努力を続けた人は、みんな好きなことを仕事にすることに成功しています。
大成功した人は少ないですが、何らかの形で好きなことから収入を得られるようにはなっているんですよね。
逆に「好きなことを仕事に」という話に対して「そんなに簡単じゃないよ。」という人には、たいてい根拠が無いんですよ。
自分がやったこともないのに、どこかで聞いた失敗談や、自分の中でのイメージだけで発言しているんです。
そもそも、僕は好きなことを仕事にするのが「簡単だ」なんて言うつもりは全くありません。
どんなに好きなことをやってたって、それなりの苦労はあります。
でも、それは好きなことに限った話じゃないですよね。
「好きじゃないことなら簡単にうまくいく」というのならともかく、「好きなことを仕事にすべきかどうかを知る4つの判定基準」で引用した書いたジム・キャリー氏の話にあったように、
「どうせどっちを選んでも失敗するかも知れないなら、好きな方を選ぶ。」
というだけの話なんです。
「”好き”よりも安定した仕事に就かないと将来が不安・・・」
前の項目と少し重なりますが、これに対しては、まず「将来の安心」というものに関する考え方が危険だと思います。
いつの時代でも「この仕事なら安心」というのは、あくまでもその時点で多くの人がそう考えているだけであって、未来が保証されているわけではありません。
例えば、以前は就職する上で最も安全・確実なのは、電力やガスなどを売っている会社だと言われていました。
少しくらい景気が悪くなってもエネルギーは絶対に必要で、誰もが継続的にお金を払って購入しているものだからです。
しかし、関東で大きな震災と、津波による原子力発電所での事故の後、東京電力は財政状態が劇的に悪化し、大規模なリストラが行われました。
まあ、「大きな会社に就職してもリスクはある」とは言っても、自分一人で好きなことを仕事にして生活するよりは安定している、というのは事実です。
本当の「安定」は一つの仕事に依存しないこと
ただ、それでも1つのものだけに頼って生活するのは、やっぱり危ないです。
仮に大企業に勤めていたとしても、それ以外に収入源を持っていたほうが絶対にいいでしょう。
イザというときのことを考えて、安全策を用意する。
それこそが本当の「安定志向」であるはずです。
別に好きなことを仕事にするからといって、本業をやめる必要なんて全くありません。
僕はリスクが高くなっても好きな事に没頭したいのでサラリーマンを辞めましたが、会社で働きながら好きなことを副業にする、というのは全然アリだと思います。
と、こういう話をすると、
「うちの会社は副業禁止なので無理です。」
という人が時々いますが、そんな風に言われたことをそのまま信じてしまっている人もかなり危険ですよ。
法律上、会社はよほど大きな理由がない限り、社員の副業を禁止することなんてできません。
ライバル会社で副業をしようとしてるとか、徹夜で道路工事のバイトをしていて四六時中オフィスで居眠りをしている・・・というような状態なら話は別ですが、そういう理由がない限り、勤務時間外の事を制限することはできないんです。
たとえ社内規則にそういうことが書いてあっても無効ですし、許可を得る必要も報告する義務もありません。
確定申告をしても「普通徴収」を選べば会社に副業がバレることはないので、好きなことを仕事にしてみたい、という気持ちが少しでもあるなら、リスクのない範囲でどんどん挑戦してほしいと思います。
なお、会社の副業禁止に関しては、「副業禁止っておかしくない?法的根拠・判例などを調べてみた」にまとめてありますので、そちらも参考にしてみてください。
今回のまとめ
最後に今回の内容を簡単にまとめておきましょう。
ポイント
- 今はマイナーな仕事、昔は仕事にならなかったことも仕事にできる
- 仕事として成り立たせるだけなら「一握りの存在」になる必要はない
- 本当に安心なのは、複数の仕事と収入源を持つこと