・自分が何をしたいのか、何者になりたいのか知りたい
今回はこんな風に「自分自身を分析する」という事について書いていきます。
ネット上を検索すると、エニアグラムとか天職診断というような「診断」系のプログラムがたくさん出てきます。
「YES」とか「NO」とか「当てはまる」とか「当てはまらない」という選択肢をポチポチ選択してスコアを出すタイプの自分分析ですね。
そういう分析プログラムは、手軽にできるというだけでなく「どんな結果がでるのかな?」という好奇心をくすぐってくれる部分があります。
また、反射的・直感的に答えを選択することで、普段は意識していなかった部分が見えやすいという利点もあるでしょう。
ただし・・・
「自分自身と対話する」手段としては、ちょっと物足りないと思うんですよ。
簡単に結果が出るのは長所ではありますが、その反面、自分の頭を使うことにはならないですよね。
回答した項目をどうやって結果に結びつけるかについても、そのプログラムを作成した人の考え方次第、という部分もあります。
だから、分析の方法によっては、違う結果になったりするわけです。
特に「心理テスト」系のものは、ほとんどが全く根拠のない、ただの「お遊び」です。
なので、君自身が本当に何を考えているのか、何を望んでいるのかを知りたいのであれば、ぜひ自分の頭で考えて、言葉や文章を書き出すタイプの自分分析をやってみてほしいんです。
次の項目を読んでもらえれば、苦労して自分を分析する事には、とても大きな意味があるということを分かってもらえるはずです。
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目次
苦労して自分を分析することで得られるもの
最近は、テストと言えばマークシート方式が主流で、空欄に自分で答えを書く記述式のものはだんだん少なくなっています。
一番のメリットは採点する上での手間やミスが減ることだと思いますが、マークシート化によって回答自体が選択式になると、テストを受ける側にとっても非常に楽です。
「○○について書きなさい。」
という問題よりも、
「1~4の中から選びなさい。」
の方が、答えが限定されている分だけ、負担も少ないということです。
そしてこれは、自分を分析する場合についても同じことが言えるでしょう。
何もない所に答えを書き込んでいくというのは、ただ「選ぶ」だけに比べて、かなり大変な作業です。
頭の中にイメージが浮かんだとしても、それをどうやって言葉として表現するかを考えなくてはならないし、時にはそれが壁になって行き詰まってしまったりすることもよくあります。
でも、だからこそ、より深く考えるための思考力や、自分が思っていることを言葉にする力が身につくわけです。
単に回答を選択して「あなたはこういう人です」と言ってもらう「診断」なら、結果を受け取ったらそこで終わりです。
これに対して、記述式の自分分析では、最初に書き出した内容をさらに掘り下げて分析したり、時間をかけて同じ設問にもう一度答えたりすることもあります。
そうすると不思議なことに、答えの内容が変わったりもするわけです。
これは、自分の気持が整理できたり、思っている事を表現する能力が上がるからこそ起こることだと思います。
普通の人は、いざ自分を分析しようと思っても、何となく頭の中だけで考えて、
「自分はなにをしたいんだろう?」
というだけで終わってしまって、次に考える時もほぼ「振り出しに戻って」しまいます。
それに対して、ちゃんと紙などに書き出して自分分析のワークに取り組んでいる人は、頭の中にある情報を「言語化」して、答えのない問いに答える作業を繰り返すことができます。
これは、ただ何となく日常を過ごしている人が何年・何十年とかけてやっていく「自分探し」を、とても短い時間の間に何度も経験するようなものです。
例えて言うなら、ドラゴンボールに出てきた「精神と時の部屋」みたいな感じかも知れません。
「精神と時の部屋」というのは、主人公である孫悟空が強敵との戦いに備えて修行をした部屋で、その中での1年が外界の1日に相当するという不思議な空間のことです。
この中で修業をすると、部屋の外にいる人にとっての「1日」の間に、1年分成長できることになります。
ちなみに、大ヒットした「メモの魔力」の著者で、SHOWROOM株式会社の社長である前田裕二さんは、就職活動時の対策として、自分を分析するワークを延々と1000回くらい繰り返したんだそうです。
その間に前田さんが書いた文章の量は、なんとノートで40冊分にもなり、最終的には「何を聞かれても一瞬で答えを出せる」というくらいに思考が研ぎ澄まされていたんだとか。
参照:logmiBiz「就活はゲーム」より
同じ記事の中で、過去に前田さんの本の編集を担当したことがあり、堀江貴文さんの本「多動力」を手掛けた事でも知られる、天才編集者の箕輪厚介さんも、自分を分析することについてコメントしていました。
箕輪さんは、最初に内定していた会社が倒産してしまったらしいのですが、その後に徹底的に自分を分析してから2回目の就職活動に挑戦したそうです。
参照:logmiBiz「就活はゲーム」より
自分の本心を理解すること、そして、その本心をちゃんと言語化して表せるということは、成功者になるための条件の一つと言えるのかも知れません。
そういうわけで、今後はこのサイトでも、自分分析のためのワークを紹介していきたいと思います。
上記の通り、手軽にぱぱっと回答を選んで「これが回答です」というものではなくて、何度も頭を捻りながら進める大変なワークはなりますが、ぜひじっくりと取り組んでみて下さい。
なお、このサイトで紹介する自分分析のための設問は、就職面接の自己PRなどに特化したものではありません。
どちらかというと、もっと根本的に、君自分が本当にやりたいことや、望んでいることを見つけるためのものです。
「自己分析について、面接ではこう答えよう」みたいな例文を探しているという場合は、改めて「自己分析 例文」というようなネット検索することをおすすめします。
自分分析の手順
それではここで、自分分析の流れと注意点について解説しておきましょう。
「なんとなく一回回答してみて終わり」というだけでは本当の効果は得られないので、必ず以下の項目を意識しながらやってみてください。
まずは、直感的に思いついたことをとにかく書き出す
自分を分析するための第一段階では、設問に対して頭に浮かんだことを、そのまま書き出すようにしてみてください。
この段階では「これは違うかな?」と思ったり、重複しそうなものをまとめたりせず「とにかく手を動かす」というつもりで書き出すのがコツです。
煮詰まって答えが出なくなったら、一度設問から離れる
ノートやパソコンの前で考え続けていると、考えが行き詰まって長時間手が止まってしまうということがあると思います。
そういう場合は一度、自分分析から離れて、散歩にでかけたりお風呂に入ったりして頭をリラックスさせましょう。
脳が緊張状態から開放されると、新しい考えが浮かんでくるということは非常によくあります。
最終的には、1つの設問に対して答えを3つくらいに絞る
十分な情報を書き出したと思ったら、最後に回答を3つくらいまで絞り込んでみましょう。
ただし、最終的な回答に選ばれなかった物についても、削除したりせずに紙の上には残しておきます。
同じ設問に対して、繰り返し回答する
自分分析のワークでは、一つの設問に1回だけ答えて終わりにするのではなく、数日後とか数週間後にまた同じ設問に位置から回答し直すようにします。
そうすることで微妙に答えが変わることに気付いたり、同じ設問に対しての回答がより明確になったりすることに気付けるようになるでしょう。
限られた設問だけで結論を出さない
君の本心は、1問とか2問の設問に対しての答えではなくて、色々な設問に答えていく中での「全体の傾向」として現れてくるのが普通です。
なので、少ない設問に対しての回答だけから「自分はこういう人間だ」という判断をするのは避けるようにしましょう。
自分分析ワーク:ステップ0
今回は初回として、以下の設問に答えてみて下さい。
- 君は何のために自分分析をしたいと思いましたか?
- 分析を進めることで、最終的にはどんなことを実現したいですか?
- たとえそれを実現するためであっても、したくないと思うことを教えて下さい
- 2で考えたことを実現したときに、どんな気持ちになるかを想像してみて下さい
印刷して手書きで記入するための用紙(PDFファイル)はこちらからダウンロードできます。
今回は「ステップ0」、つまり準備段階にあたるワークなので、次回は「ステップ1」として、また新しい自分分析のための設問を紹介してく予定です。
今回のまとめ
最後に、今回のまとめです。
ポイント
- 本気で自分を分析するには、記述式の自分分析が最適
- 自分分析を繰り返すと、思考力と言語化する力がつく
- 自分分析の手順
→ 直感的に思いついたことをとにかく書き出す
→ 答えが出なくなったら、一度設問から離れ
→ 答えを3つくらいに絞る
→ 時間を開けて繰り返し回答する