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介護士が底辺の仕事と言われる2つの理由-人材不足は当然?

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介護士

元底辺サラリーマン、現在は独立して好きなことを仕事にする「ライフワーカー」育成のプロジェクトに取り組んでいるROCKです。
・将来やりたい事が見つからない
・介護職が「底辺」とか「負け組」と言われるのはなぜですか?

今回のテーマは、介護士の労働環境や社会的な地位についての話です。

介護の職場では人材不足が大きな問題になっていますが、これは単に「仕事が大変だから」とか「待遇が悪いから」ということだけが原因ではないでしょう。

結果としては仕事内容や収入の問題だとしても、その裏には深刻な社会問題というか、「介護」というものが抱えている仕組み上の問題があるからです。

僕は以前、労働組合や法律事務所と連携して、働く人達の相談を受ける仕事をしていたことがありますが、介護士の人たちからの相談件数は、他の職種よりも明らかに多かったのを覚えています。

中には、心のバランスを崩してしまったためか、相談受付のメールアドレスに、雇用主(介護事業所)を罵倒する様な言葉を、延々と書き続けてくるような人もいました。

最初に言っておきますが、僕は介護士というのは人を直接助けることができる仕事で、それによって感謝もされる非常に意義のある職種だと思っています。

自分の意思で介護士を目指すような人の志も、とても立派だと思います。

しかし、職業としての魅力とか将来性で考えるなら、介護士は間違いなく「選ぶべきではない底辺の仕事」だと断言します。

ここから先では、なぜそう考えるのか?ということについて、詳しく説明していきます。

この記事についてご質問・ご意見がある場合は、記事の下部にあるコメント欄からご連絡ください。原則として24時間以内に回答を掲載させていただきます。

介護士が「底辺の仕事」である理由1:異常な低賃金

小銭と通帳

しつこいようですが、僕が「底辺」だと言っているのは「介護士として働いている人たち」ではなく、介護士という「職業としての魅力」です。

なぜかというと、介護士は最も努力が報われない、貧乏クジを引かされるようになっている仕事の一つだからです。

そう考える最大の理由が、異常とも言えるくらいに低い年収(賃金)です。

「お金だけが全てじゃない。」という人もいるかもしれませんが、これは「職業として」の話なので、お金の話を無視することはできません。

「人の介護をすることそのものが好きだから、お金なんていらない、」という人は、ボランティアで介護士をすればいいだけなので、今回の話には該当しないと考えてください。

話をもとに戻しますが、介護士の収入がどれくらい「底辺」かというと、職場によっては「一生懸命働いても、人並みの生活は難しい」というレベルです。

「東洋経済ONLINE」の「格差歴然!40歳平均年収「63業界」ランキング」によると、63の職種のうち最下位の63位。

年収の少ない業種グラフ

しかも、ブービー賞(下から2番目)である「百貨店」に50万円以上の差をつけてブッチギリの最下位。つまり底辺どころか「最底辺」です。

他の職業が数万円程度の差で順位を争っているのに対して、一人だけポツンと離れて後ろにいる感じですね(苦笑)。

395万円という数字だけを見ると、そんなに酷くもない印象を受けるかも知れませんが、ここで注目すべきなのは他の職種との比較です。

この表でのモデル年収は、厚労省や会社四季報などのデータから、40歳前後を対象に計算しているしたものなので、全体的に高めに出ているのが分かります。

例えば、日本全体の年収の中央値はだいたい360万円くらいですが、上記の表でこの数字を下回っているものは一つもありません。
参考:平成 29 年 国民生活基礎調査の概況(厚生労働省PDF)

つまり、実際にはこの表の数値よりもかなり厳しい金額になるだろうということです。

介護というのは決して楽な仕事ではないはずなのに、年収が文字通りの「底辺」になってしまうのは、一体なぜなんでしょうか?

一部の人は、「介護士は非正規雇用で働く人が多いから」だとか、「介護施設を運営する会社や人材派遣会社などが利益を吸い上げすぎているからだ」と言っています。

確かにそういう事情も関係しているとは思いますが、それはメインの理由ではないでしょう。

そういう構造を持った他の業種と比較しても、介護士の収入は特に低すぎるからです。

介護士が底辺の仕事になってしまう最大の理由。

それはもっと政治的・構造的な部分にあると思います。

そもそも介護事業によって発生する収入は、その9割が介護保険によってまかなわれています。

介護を受ける人が支払っている金額は原則として料金の1割だけで、残りの9割は40歳以上の人たちから税金のような形で形で集めた、介護保険料という限られた財源から出ているわけです。

一般的なビジネスでは、お客さんが増えれば、支払われる金額の総額も増えるのが普通です。

しかし、介護の場合は、いくらお客さん(介護を受ける人)が増えたとしても、その分だけ財源が大きくなる事はありません。

逆に、サービスの利用者が増えれば増えるほど、限られたお金をたくさんの人で分け合うことになります。

業界全体に割り当てられた予算に限界があるので、介護事業を運営する会社に入ってくるお金も限られくるということですね。

そうすると、会社として利益を上げるには、使うお金をとにかく少なくする=人件費をとことん削るというやり方に偏ってくるわけです。

結果として、介護事業所はブラック企業化する傾向が強くなり、介護士の労働環境は悪化しやすくなるのだと考えられます。

介護士の「底辺化」は計画的犯行?

コストカット

もっそもこういう問題は、2000年に介護保険制度が始まった時点で、既に分かっていた事だとも言われています。

そもそも介護保険制度というものが作られた理由が、医療費全体としての「予算の削減」だと考えられるからです。

以前は、介護に使われる予算も、他の医療と同じカテゴリーに組み込まれていました。

その頃は、病気を直すために使われるお金と、高齢の人たちを介護するためのお金は、同じ財布から支払われていたわけです。

しかし、高齢化人口の増加などで介護にかかる費用が全体の財政を圧迫し始めたので、介護だけが仕組みの中から追い出され、独立したような形になりました。

言い方は悪いですが、
「要介護者はお金を使いすぎるから、家計が一緒なのは困る。予算を決めるから、あとはその中でやりくりしてよ。」
という形になったということです。

一応、介護保険には「介護が必要な状態になることを予防する仕組みを作る」など、色々な役割が設定されています。

しかし、介護報酬というのは一般的な医療報酬に比べて低く設定されている倍が多く、その金額も引き下げ傾向であることを考えると、お金の配分に関しては「切り捨てられた」ような印象を受けると言わざるを得ません。

介護士が「底辺の仕事」である理由2:労働環境の悪化

最近、老人ホームなどで介護士が入居者を虐待したり、酷いケースでは介護職員が高齢者を殺害するというようなニュースをよく聞くようになりました。

そして、統計的に見ても、施設の職員による高齢者虐待の件数は急激に増えているようです。
参考:「介護に疲れ…」高齢者虐待、7年連続で最多更新 認知症患者8割超(産経ニュースwebサイトより)

高齢者虐待数の推移グラフ

高齢者虐待の原因に関する研究はこれからも進んでいくと思いますが、社会福祉法人が過去に行った調査では「職員のストレスや感情コントロールの問題」が2番目に多いという結果が出ています。
参考:社会福祉法人の資料(PDFファイル)

この事実が、低賃金や過酷な労働という「介護事業のブラック化」と無関係だと考える方が難しいですよね。

「貧すれば鈍する」(貧乏をすると、心まで貧しくなる)という言葉があるように、金銭的に報われない中で働いていたら、精神的にも追い詰められていく事になるでしょう。

結果として、最初は真面目に働いていた人が、ストレスによって感情のバランスを崩したり、イライラして暴力行為に走るということも十分に考えられます。

だからといって「犯罪を犯してもいい」ということにはなりませんが、労働環境の悪さを精神論でカバーしろというのも、また無理な話です。

事業者やサービスを受ける人にとって健全な環境を作りたければ、介護士に対しても「人並みに働けば人並みに報われる」労働環境を用意する必要があると思います。

さらに、労働環境が悪ければ、他の職種で仕事を見つけられる人は、介護士になるという選択をしなくなっていきます。

それによって「他の仕事ができないから仕方なく介護の仕事を」という人が増えれば、モラルの上でも「給料さえ貰えればいい」という底辺の人材が増えてしまうことになるでしょう。

以前に保険会社の「損保ジャパン」が人件費を削減するために、数千人の社員を「子会社の介護部門に異動させる」と発表し、「事実上の「追い出し」だ!」という批判が集まったことがあります。

そういう事例を見ても、社会的に介護という仕事が「底辺の仕事」と見なされている事は否定できないと思います。

介護士という底辺の仕事に就いてはいけない

介護の問題

批判を覚悟で個人的な意見を言わせてもらうと、少なくとも今の制度の中では、介護士という仕事は社会の底辺であり、目指す価値がないと考えています。

しつこいようですが、これは働いて対価を得る「仕事」としての魅力がないという意味であって、介護という仕事の意義や、介護士として働いている人たちが底辺だというつもりは全くありません。

それでも、介護士という損な役回りを引き受けてしまう人達がいれば、介護事業を運営する会社は、その人達を利用し続けるでしょう。

介護事業や介護保険制度というしくみが「変わるための圧力」をかけるためにも、働く側は介護士という仕事を選ぶべきではないと思うんです。

それと同時に、介護に関連する資格に関しても、今の制度の中では取得する意味がないと思います。

家族などを自分自身が介護したいという気持ちがあり、そのために知識や技術を習得したいというのなら話は別ですが、そうでなければ時間や労力をかける価値はほぼ無いでしょう。

今の介護事業の中では、たとえ介護福祉士やケアマネジャーなどの資格を持っていたとしても、無資格で他の仕事に就くよりも年収が低くなる可能性があるわけで、どうせなら他のことを勉強した方が、はるかに努力が報われやすくなるからです。

今回のまとめ

最後に、今回のまとめです。

ポイント

  • 介護士は重要な仕事だが、労働条件としては「底辺」と言える
  • 介護の仕事は、金銭的に豊かになれない仕組み上の問題がある
  • 高齢者虐待などの事件も、職場環境に起因する可能性が高い
  • 介護業界で資格を取得するくらいなら、他の職業を選ぶべき
<こんな人にオススメ>
  • 自分が何を望んでいるか、何をしたいかが分からない
  • やるべきことがあるのに、腰が重くて行動に移せない
  • 何かを始めても、すぐに挫折してしまうことが多い
  • この記事を書いた人
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ROCK

底辺サラリーマン→webビジネスを学んで独立。
現在は現在は好きなことをする「ライフワーカー」を育てるミッションを遂行中。
ハンドルネームはドランクドラゴンの塚地さん公認(笑)。

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