・仕事をサボっている人に対して腹が立ちます
今回は、仕事とサボりの問題に関する話です。
僕は、仕事によって得られるものは、給料だけじゃないと考えています。
とは言っても、これは決して「努力すること自体が素晴らしい」とか「仕事としてやるからには全力でやれ」とかいうお説教臭い話ではありません。
損得勘定という意味で、もっとストレートに言えば「仕事をサボると、金銭的に損をする」と考えているんです。
正直な所、僕だって多少は仕事をサボったことがありますし、人間である以上「楽をしたい」と思うことは誰にでもあるでしょう。
逆に、同僚や上司などがしょっちゅう仕事をサボっていて、それに対して腹を立てている、という人も多いと思います。
というわけで今回は「サボることの弊害」について、できるだけ詳しく書いていきたいと思います。
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目次
仕事をサボるとお金を失う理由
いわゆる「雇われ仕事」というのは、一般的に考えれば労働力を提供する代わりに、お金を受け取るということです。
そして、サボるというのは、この労力をできるだけ「出し惜しみする」事だと言えるでしょう。
時給や月給の場合、サボっても(クビにならない限り)決められた給料はもらえるので、サボったほうが得だと思う人もいるかもしれません。
つまり、最小限の労力で、お金だけはしっかりもらえれば「コスパが良い」というわけですね(笑)。
でも、その「お得感」を味わえるのは、限られた期間だけです。
長期的に見れば、サボる事によって金銭的にも失うものの方が多いと思います。
なぜなら、仕事というのは働く側にとって、お金を稼ぐ手段であるのと同時に「能力を鍛える機会」でもあるからです。
仕事を一生懸命やっていると、経験を積むことで仕事をする能力そのものが上がります。
同じことをより効率的にこなせるようになったり、発生した問題を解決する力がついたりするわけです。
たとえ、仕事の内容が誰でも出来るような単純作業であっても、やり方次第ではスキルアップにつながります。
例えば、僕は以前にアルバイトとして、プラスチック製のパーツを切って、一定数ごとに並べるというだけの単純作業をやっていたことがあります。
さすがに毎日それをやっていると飽きてしまうし、他の仕事にも応用が効かないと思った僕は、ストップウォッチで時間を測りながら、タイムを縮めることに挑戦していました。
使う道具を変えてみたり、物の置き場所を変えてみたり、途中の作業を簡略化してみたりと、色々なことを試しながら、時間を測り続けたんです。
その中で気がついたことは、手作業で単純作業をこなす上では、左手の使い方重要だということでした。
実は人間というのは、急いで作業をしている時でも、ほとんどの動きを利き手に頼っていて、反対の手は補助的にしか使っていません。
なので、左手でも簡単な作業(チェックリストに○をつけるなど)ができるようにするだけでも、かなり作業スピードがアップすることがあるんです。
そんな風にして色々な改善をした結果、僕の作業スピードは同じ仕事をしている他の人と比べて1.5倍から2倍くらいになりました。
残念ながら時給に関しては1円も上がりませんでしたが、僕はそれでもやった価値があったと思っています。
試行錯誤することが楽しかったというのもありますが、そういう経験をしたことで、業務改善のアイデアがすぐに思い付くようになったからです。
僕の場合はもともと「凝り性」だったこともあって、こういうマニアックなエピソードが色々あるわけですが、仮にそうでなかったとしても話の本質は変わりません。
一生懸命仕事をしている人と、機会さえあればサボっているような人では、仕事から得られる経験値が圧倒的に違います。
そして、十分な経験がある人は、それを武器にして転職したり、出世したりすることができるわけです。
これに対して、仕事をサボる癖がある人は、ひたすら嫌な事から逃げ回るだけで、それを問題を解決するために頭を使ったり、悩んだりすることがありません。
例えば、会社の採用面接などで、
「あなたは、どのような形で当社に貢献できると思いますか?」
とか聞かれた時の事を想像してみて下さい。
「特に業務改善に積極的に貢献したいと考えています、以前の職場では・・・」
と過去の経験を具体的に入れて説明できる人と、面接マニュアルの回答例にあるような抽象的な回答しかできない人では、合格率はかなり違ってくるでしょう。
ちなみに、身分は同じ「会社員」だったとしても、中小企業と大企業では、だいたい100万円くらい年収が違うと言われています。
参考:平成29年賃金構造基本統計調査の概況
また、仮に同じ会社にいたとしても、出世する人とそうでない人では、もっと大きな年収格差があるでしょう。
つまり、自分の経験を武器にキャリアアップしていける人と、サボりながらとりあえず働いている人では、生涯収入で考えれば数千万円くらいの差が出てもおかしくないと言えます。
仕事をサボるということは、将来の成長の可能性や、それによって得られるかも知れないお金を捨てる事になるわけです。
仕事をサボる習慣が生む悲惨な将来
前の段落では「仕事をサボる癖」という表現をしましたが、仕事をサボるという行為は、一度覚えると習慣になりやすいものです。
これは、長期休みが続くと朝寝坊が習慣化しやすくなるのと同じで「人は楽な方に流れやすい」ということです。
そして、習慣というのは、一度身についてしまうとなかなか変えられないということは、誰もが実感していることでしょう。
スマホに夢中な人は、なかなかスマホから離れられないし、
テレビばかり見ている人は、テレビがついてないと落ち着かないし、
ゲームが大好きな人は、四六時中ゲームのことばかり考えていたりするものです。
悪い習慣をやめるだけでなく、新しい習慣を定着させるのにも、相当な労力が必要です。
だから、テスト直前に必死になって勉強しながら、
「次のテストでは苦労しないように、普段から勉強しておこう・・・」
と思っても、多くの人がまた勉強をサボって、次のテスト直前まで何もしないわけです(笑)。
なので、若いうちに仕事をサボる癖が付いてしまうと、悲惨な将来を迎えることになりかねません。
特に日本では、「年齢が若い」というだけで、未経験でも割と色々な仕事に就ける事が多いです。
なので、仮に仕事をサボっていてクビになるようなことがあったとしても、それほど苦労なく「まともな仕事」にありつけるでしょう。
しかし、一定以上の年齢になるとそうはいきません。
経験や専門性がないと、人並みの仕事に就くことすら難しくなっていきます。
そうなった時、一生懸命働いていた人と、仕事をサボることばかり考えていた人の差は、一気に表面化します。
努力してきた人が自分の居場所を確保していく一方で、サボってきた人は「若ければ誰でも雇ってもらえる」というレベルより、さらに下の条件でしか雇ってもらえなくなることになります。
仕事のような「義務」というのは、誰でもサボりたくなることがあるものだと思います。
これはたぶん、学生時代の勉強と同じようなものでしょう。
一生懸命やったほうがいいのは分かっているけれど、面倒だからできればやりたくない。
そして、多くの人が、時間が経ってから失ったものの大きさに気付くことになります。
サンケイリビング新聞社の調査によると、「20代のうちにやっておけばよかった」と後悔する事のランキングで2位に入っているのが「勉強」だそうです。
参考:LIVINGくらしナビ(サンケイリビング新聞社)
自分を鍛えられる機会が与えられているというのは、それ自体がとても恵まれているということを、手遅れになる前に気付くべきだと思います。
評価されない環境でもサボっちゃダメ?
仕事をする上で、やる気を大きく左右するものの一つに「頑張ったことが評価されるかどうか」があると思います。
僕もけっこう長く会社員をしていたので、会社というところが
「頑張っていれば誰かが認めてくれる。」
なんていう建前が成り立つような所ではないことは、よく分かっているつもりです。
例えば、
- 努力やその結果が評価されるしくみがない
- 上司が自分の好みだけで部下を評価している
- 意味のない仕事を指示される
というような環境で働いている人も少なくないでしょう。
実際に僕の友人は、障害者採用枠に応募してある会社に入ったものの、そこで指示されたことは「会社のホームページを見ていて下さい。」という事だけだったそうです。
一定の規模の会社になると、従業員の人数に応じて障害者の採用枠を設けなければいけないというルールがあるのですが、その会社はその条件を満たすためだけにその人を採用したようです。
こんな事を言うと批判もあるかもしれませんが、僕はその場所で働くことに全く将来性が無いのであれば、時には仕事をサボるという選択肢もアリだと思います。
ただしその場合は、会社から求められる仕事に関してはさっさとこなして、余った時間を自分のために使うようにするのがいいでしょう。
つまり、やるべき仕事は全力で終わらせた上で、残りの時間に転職や独立のための準備などをするということです。
さっき話に出した障害者採用で会社に入った僕の友人は、仕事中にパソコンを使うことを許されていたので、仕事中にEXCELやWordの使い方を練習した上で、別の会社に転職するという選択をしました。
仕事をサボっている人に対してはどう対処する?
それでは、同じ職場に仕事をサボっている人がいる場合、どう対処すればいいのでしょうか?
これについては、大きく分けて2つの場合があると思います。
仕事に支障が出ている場合
誰かが仕事をサボることで、会社の業務に問題が発生していたり、自分自身に負担がかかっているという場合は、(当たり前のようですが)まず上司にその内容を報告するのが最初のステップになるでしょう。
仮に上司が仕事をサボっている場合は、さらにその上の上司に報告・相談することになります。
それでも問題が解決しないような会社だったとしたら、はっきり言ってそんな所にいても未来は無いでしょうから、さっさと転職を考えるのが賢明だと思います。
正義感から「注意すべき」と思っている場合
他人が仕事をサボっていても自分の仕事に実害が無いという場合は、基本的に放っておいてもいいと思います。
もちろん上司に報告して注意してもらってもいいですが、もしも会社がきちんと対応してくれない場合は、その程度の会社だと思って諦めましょう。
結局の所、仕事をサボっている人というのは、自分で自分の首を締めているわけですから、いつかそのツケを払う時が来るはずです。
そして僕の経験上、そういう問題を黙認する会社は基本的な考え方が「事なかれ主義」なので、時間や労力を割いてそれを正そうとするのは時間の無駄に終わることが多いです。
今回のまとめ
最後に、今回のまとめです。
ポイント
- 仕事をサボることは、経験を得る機会を放棄する事になる
- 仕事の経験値が低いと、収入が増えにくい
- 経験が無いまま歳を取ると、仕事の選択肢が極端に制限される
- 職場環境が悪いなら、サボるより転職や独立を考えるのが得策