・将来性のある仕事について教えて下さい
・自分の仕事の将来性に不安を感じます
せっかく仕事をするのなら、将来性のある、安定した環境で働きたいと考えるのは当然だと思います。
特に最近は、「AIに仕事を奪われる」論が色々なところで展開されているので、就職や転職を考える上での不安は増しているような気がします。
そこで今回は、将来性のない仕事を、独自のスコアでランキング形式にしてみました。
スコアについては、雇用安定性、キャリア発展性、労働環境の3つについて、それぞれ0から5までの点数をつけて、全てをかけ合わせた数値で順位を決めています。
- 雇用安定性・・・その仕事に対する需要が今後も続くかどうか
- キャリア発展性・・・その仕事で身に付けた能力が役立つかどうか
- 労働環境・・・給料や労働時間、ストレスの程度などの労働条件
※数字が大ければ「良い」、逆に低ければ「悪い」ということです。
足し算にしなかったのは、仕事を選ぶ上では、どれか一つでも異常に低いものがあるなら、その職業に就く価値がないと考えたためです。
他のメディアで取り上げられている「AIで無くなる仕事」とはかなり異なっている部分もありますが、それは「今の時点で仕事を選ぶ」人のためのランキングにしたいと思ったからです。
メディアによっては、「医者がロボットに取って代わる」なんて言うことを主張しているものもありますが、はっきり言ってそんな事を知っても就職や転職の役には立たないと思います。
複雑な判断や手先の器用さ、コミュニケーション能力が必要な医者という仕事を、AIやロボットがやるようになるような世の中になったら、そもそも人間にできる仕事なんてほとんど残されていないはずだからです。
そんな未来の話ではなく、現代に生きる人が「幸せに働けるかどうか」という視点でのランキングということです。
ただし、仕事の将来性については、その人の目標とするものによっても違うので、その点は考慮しておいてください。
例えば、僕は「役に立たない資格一覧-就職・転職・収入アップに使えないリスト」でFP(ファイナンシャル・プランナー)を「役に立たない資格」としてあげています。
しかしそれは、「FPとして働いてもあまり報われない」という意味であって、将来的に経済の知識を武器にしたいというひとがFPの勉強をするというのであれば、全く意味は違ってくるわけです。
なので、このページの内容はあくまで「一般論として」ということだと考えてもらえたらと思います。
なお、異論や反論、また「この仕事はどうなの?」という質問はコメント欄までお願いします。
この記事についてご質問・ご意見がある場合は、記事の下部にあるコメント欄からご連絡ください。原則として24時間以内に回答を掲載させていただきます。
5位:銀行員
雇用安定性 | ★★ |
キャリア発展性 | ★★★★ |
労働環境 | ★★★ |
TOTAL | 24ポイント |
一昔前までは、安定した職業の代表格だった銀行員ですが、今では金利の大幅な低下によって利益が減ったことや、色々な処理の自動化によって、「人減らし」が必要な職業になってしまいました。
さすがに「銀行そのものが無くなる」ということは当分ないと思いますが、今後は電子決済が増えたり、銀行を経由しない取り引きが増えることで、ますます窓口業務などの仕事の需要は無くなっていくでしょう。
ただし、銀行員というのは、今でも倍率が高く、人気のある職業の一つではあります。
銀行員としての仕事をずっと続けていけるかどうかはともかくとして、「元銀行員」という肩書きは、高学歴と同じ様に、転職をする上で武器として使えるでしょう。
そういう意味で、これから紹介する他の職業よりはずっとにマシですが、今後は環境が大きく変わる見込みの職種として、あえて取り上げてみました。
4位:一般事務員
雇用安定性 | ★★ |
キャリア発展性 | ★★★ |
労働環境 | ★★★ |
TOTAL | 18ポイント |
特に資格が無くてもできるレベルの伝票処理や経費精算などの仕事は、紙での業務がデータに置き換わるに従って減っていく運命にあります。
今はまだ人の手に頼っている業界も多いですが、車の自動運転のような法規制も無い分野なので、今後の機材やソフトの発達で、確実に働き口は減っていくでしょう。
募集の絶対数が多いので、「事務の仕事にありつけない」という事にはなりにくいと思いますが、事務の自動化ができていない会社=古い体質の会社という地雷を踏んでしまうリスクもあるかもしれません。
ただし、どんなにAI化・機械化が進んだとしても、事務系の仕事を管理する人が0になるということは(しばらくは)無いはずです。
なので、会計や税務の知識などが求められるような事務職に鞍替えすれば、ある程度の「延命」は可能でしょう。
また、一般的なビジネスの慣習は一通り身につくと思うので、転職の際には「社会人経験」という意味で将来の仕事につながると思います。
3位:保険外交員
雇用安定性 | ★★ |
キャリア発展性 | ★★★ |
労働環境 | ★★ |
TOTAL | 12ポイント |
いわゆる、「保険の勧誘をする人」です。
今の保険業界は、代理店や外交員などを省いてコストを下げ、インターネットなどで直接契約をする方式がトレンドになっています。
保険の代理店の数は年々少なくなっていて、消費者と保険の加入者が直接契約をする形が増えていっているけです。
はっきり言って人気の無い仕事なので、「保険の営業がやりたい!」というのであれば、仕事には困らないでしょう。
しかし、どんどん人を勧誘していかないと成り立たない仕事なので、ストレスは多く、ほとんどの人が短期間で会社を辞めてしまうのが現状です。
営業職としての経験には価値があると思いますが、それならば保険以外の分野を選んだ方が、将来性が広がると思います。
2位:ドライバー
雇用安定性 | ★★ |
キャリア発展性 | ★ |
労働環境 | ★★ |
TOTAL | 4ポイント |
ドライバーの仕事というのは「自動運転の普及によって減る」と言われているものの一つですが、実はそれほど急激に仕事が無くなる分野ではないと思います。
法律などの問題もありますが、特に宅配ドライバーの仕事の場合、自動運転だけでは仕事の全てをカバーしきれないからです。
建物の構造は1つ1つ違いますし、足場の悪い場所や階段などを登る場合もあることを考えると、少なくとも人と同じ様に歩き回れるロボットが登場しない限り、ドライバーの仕事は無くならないでしょう。
しかし、結局の所は完全な肉体労働なので、体にかかる負担や、他の職業に役立つスキルが身に付かないということを考えると「将来性」という意味ではあまり有望な仕事とは言えません。
ただし、某配送業者の仕事のように「仕事はキツイけど、短期間で稼げる」という特徴を利用して、何らかの目的のために期間限定で働くというのはアリかもしれません。
1位:飲食店従業員
雇用安定性 | ★★ |
キャリア発展性 | ★ |
労働環境 | ★ |
TOTAL | 2ポイント |
もともと日本の飲食業は、低賃金・長時間労働のブラック体質です。
特に規模の小さなお店・会社は、自分たちの働きを人件費として考えない「文化」があるので、一般的な企業では当然考えられるような効率化や「法律を守る」ということが軽視されがちです。
日本の外食産業は、他の先進国と比較して異常に値段が安いと言われていますが、これは飲食業に勤めている人たちの犠牲によって成り立っているところが大きいわけです。
出どころが分からないのですが、この構図をよく表した風刺画があるので貼っておきます。
大手の外食チェーンですら、残業代未払いを訴えた従業員に仕返しのための訴訟を起こしたり、アルバイトを「業務委託契約だ」と主張したりしているくらいですから、そんな業界に将来性は期待できないでしょう。
(業務委託の場合、会社が色々な責任を負わなくてすむことが多いので、ブラック企業はよくこういう言い訳をします)
ただし、将来的に自分で飲食店を開きたい、というような夢を持っている人が、勉強のために飲食店で働くというのなら、一応意味はあると思います。
殿堂入り:介護施設職員
雇用安定性 | ★★★★★ |
キャリア発展性 | ★ |
労働環境 | |
TOTAL | 0ポイント |
「介護士が底辺の仕事と言われる2つの理由-人材不足は当然?」でも書きましたが、法律が大きく変わらない限り、介護の仕事に将来性はありません。
もともと介護保険料という限られた財源からしか報酬が生まれない仕組みである上に、そこから支払われる報酬も減額傾向なので、現時点では「お先真っ暗」と言えるでしょう。
労働環境が非常に悪いことが多く、精神的に追い詰められてしまう人も多い職種です。
介護で学んだことが他の仕事に直接活かせるという事もなく、キャリアアップにも役立ちません。
需要だけはしっかりあるので、介護職で就職すること自体は簡単ですが、その意味はないでしょう。
「これから需要が増えて、給料が上がることが期待できる」なんていう事を書いているメディアもあるようですが、根拠が示されていないので、信じるべきではないと思います。