・会社での仕事にやる気が出ない
会社の体質や仕事に不満があって、辞めることや転職することを検討している人も多いと思います。
「どこに行っても同じ」というようなことを言う人もよくいますが、実際にはそんなことはありません。
社長+従業員1名(社員は僕だけ)という「超絶」零細企業から、社員1000人超の中堅企業まで複数の職場を渡り歩いた僕から言わせてもらえば、会社が変われば労働条件は驚くほど違うことがよくあります。
今回取り上げた「やる気をなくす条件」は、その職場で働き続ける上でどれも致命的になりかねないものばかりなので、今後の働き方、生き方を考える上での参考にしてみて下さい。
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目次
やる気をなくす職場の特徴1:「低い給料」
多くの人が生活のために働いているわけですから、給料の額が低かったら、やる気がなくなるのも当然です。
なぜ、給料の金額が低くなるのかについては、会社によって理由が違うと思いますが、どれも個人の努力だけで改善することはほぼ無理でしょう。
儲からない業種である
例えば出版業界や音楽業界(主にCDの制作や販売に関わる分野)は、業界全体の売上が大幅に落ちています。
また、家電量販店やアパレル業界なども、通販サイトや、低価格・大量販売のファストファッション(ユニクロやGUのようなお店)の拡大によって、「勝ち組」に入っている一部の会社を除けば、かなり厳し状態が続いているようです。
一部の会社は儲かっているものの、それ以外の会社のほとんどが苦戦しているということは、その会社の参入している業種そのものが抱えている問題ということになります。
これは職場や会社が悪いのではなく、世の中の流れによって起こることなので、勤めている会社が今までとは違うタイプのビジネスを始めない限り、状況が変わる見込みはほとんどありません。
給料の低さがやる気の低下につながっているのであれば、別の業界への転職を検討した方がいいでしょう。
残業代や休日出勤手当が出ない
サービス残業が発生していたり、深夜まで仕事をしても深夜手当がつかなかったり、付くべきはずの休日出勤手当が付かないような会社は、その時点で完全にアウトです。
そもそも法律を守らないような会社を相手にするのは、極端に言えばお金を盗まれているのと同じですから、そんな職場とはできるだけ早目に手を切ることを考えるべきです。
昇給がない、又は少ない
昔は日本の多くの会社が年功序列、つまり「長く勤めているほど給料が上がる」というしくみを採用していました。
年功序列のしくみの中では、入社した時は低賃金でも「毎年少しずつ昇給していく」という所に希望があったわけですが、今では多くの会社で状況が変わっています。
勤続年数や年齢ではなくて、実力主義になった・・・のであれば良いんですが、残念ながら多くの会社では、入社したときの給料が安くて、その後の昇給も少ないままになっているのが現状です。
要するに、全体的に見ると、会社自体は利益を上げることができても、給料に関してはケチるようになっているということです。
これは、労働分配率(簡単に言うと「会社の利益の中から、給料に回される金額の割合」のようなもの)の低下として問題になってきています。
参考:下がり続ける労働分配率、需要鈍化で企業の価格転嫁の妨げに
なので「働き続けても給料が上がらない」ということでやる気を無くしているのなら、労働分配率の高い会社や、実力次第で高給取りになれるような会社に勤めることを検討した方がいいしょう。
やる気をなくす職場の特徴2:「不当な評価」
社員の働き方をどう評価して、どんな人を昇進させるのか?という部分についての基準があいまいなのも、やる気をなくす職場の典型的な特徴の一つです。
「正直者がバカを見る」ような職場で長く働くことは、人生の浪費以外の何物でもありません。
お世辞やアピールのうまい人だけが評価される
上司が部下を、個人の感覚だけで「なんとなく」評価している職場では、上司の言う事にとにかく従うだけの「イエスマン」や、自分の仕事ぶりを熱心にアピールするだけの人が高く評価されることが多いです。
中には、周囲を威圧して従わせる「俺様キャラ」な人が「管理能力がある」と思われて出世していくような職場もあったりします。
残念ながらそういう職場では、他人が嫌がる仕事を積極的に引き受けたり、「縁の下の力持ち」として他の人を支えても、ほとんど評価されません。
成果を上げているという自覚があるにもかかわらず、それが評価されないとしたら、やる気が無くなってしまうのは当然です。
「アピールするのも仕事のうち」という人もいますが、仕事の能力と自己アピールの能力が必ず一致するわけではないので、そういう考え方にも問題があると思います。
残業しないと評価されない
生産性や利益のことを考えれば、短時間でより多くの仕事をこなせたほうがいいのは当たり前です。
しかし、いまでも古い体質の会社には、
労働時間が長い=仕事熱心
という、謎の評価システムがあったりします。
そういう職場では、効率的にテキパキ仕事をこなす有能な人が評価されず、逆に勤務時間内に暇つぶしをしてダラダラ机に座っている人のほうが「努力している」と思われたりするわけです。
勤続年数が短いと評価されない
今でも年功序列のしくみが残っていて、どんなに仕事ができても勤続年数が短いと評価されず、長く勤めている人から優先的に昇進していくという会社もあります。
全員が同じ条件というのなら、それはそれで平等な職場だと思いますが、
「今は報われていないけど、将来のために働き続けよう。」
なんて考えるのは非常に危険です。
今の時代に、勤続年数だけで人を評価しているような会社は、効率重視の会社にどんどん遅れを取っていくでしょう。
結果として、年をとって年功序列システムを味方にできるようになった頃には、すっかり評価のしくみが変わっているか、職場そのものが無くなっているはずです。
反対意見を言うと評価が落ちる
「上司の命理が絶対」という職場では、たとえ仕事の成果を上げるためだったり、会社の間違いを正すためであっても、「逆らうやつはけしからん!」ということで低く評価されたり、出世コースから外されてしまうことがあります。
これに対して、実力主義・成果主義の会社では、むしろ「間違っていると思う事に反論しない」という姿勢の方が問題だと考えられているそうです。
参考:本物のリーダーは「反論する義務」を心得ている
誰の意見であっても「間違っていれば正すべき」と考えている会社と、たとえ多くの人が間違っていると思っても「上司の意見は絶対」という会社の、どっちに未来があるかということはすぐに分かるでしょう。
やる気をなくす職場の特徴3:「人間関係の問題」
アドラー心理学という分野では「全ての悩みは対人関係の悩みである」と言われています。
これが事実かどうかはともかくとして、職場での人間関係が、やる気を左右する大きな要因になっていることは間違いないでしょう。
ろくに仕事をしない人がいる
まともに仕事をしない人や、仕事をサボっている人がいるのに、それを放置しているような職場では、やる気を保つのは難しいと思います。
その人の分まで仕事が回ってきたりすれば、真面目に働いている人の手間が余計に増えることになりますし、仮にそういう実害が無かったとしても、職場の管理が甘いというのは大きな問題です。
「サボっていても責められない」ということは、逆に言えば「頑張っていても評価されない」という職場である可能性が高いからです。
いじめや嫌がらせ(ハラスメント)がある
世の中には色々な人がいますから、人間が一定の数だけ集まれば、その中には他人を攻撃するような人が出て来ることもあります。
そして、会社にはそういった問題を解決する義務があるんです。
使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
条文だけを見ると「生命、身体等」となっているので、肉体的に危害を加えられなければ関係ないような印象を受けるかも知れませんが、過去の判例などを見る限り、精神的な問題も例外では無いと解釈されているようです。
参考:職場のセクハラ・パワハラ(PDFファイル)
なので、
「本人同士で話し合って解決してください。」
「相手にも悪気があったわけじゃないと思うから・・・。」
というように、会社としての対応を避けようとするのは、法律的にも問題があるわけです。
これはセクハラやパワハラなども同じで、この場合はさらに民法上の不法行為(民法709条)と見なされる場合があります。
参考:民法709条(e-Govより)
どちらにせよ、会社に報告しても改善のためのアクションを取ってもらえないようであれば、証拠集めと並行して法律の専門家に相談したほうがいいでしょう。
今回のまとめ
最後に、今回のまとめです。
ポイント
- やる気をなくす職場の特徴1:「低い給料」
→ 儲からない業種である
→ 残業代、各種手揚げの不払い
→ 昇給が不十分 - やる気をなくす職場の特徴2:「不当な評価」
→ 上司に取り入る人だけが出世
→ 残業しないと評価されない
→ 勤続年数が短いと評価されない
→ 反対意見を言うと低評価 - やる気をなくす職場の特徴3:「人間関係の問題」
→ ろくに仕事をしない人がいる
→ いじめやハラスメントがある
次回は後編として、やる気を無くす職場の「上司」「仕事内容」「労働時間」について書いていきたいと思います。