・やる気が出ない時は、どうすればいいでしょう?
何かをやらなきゃいけないのに、どうしてもやる気が湧いてこない・・・
いざ始めてはみたものの、どうしてもやる気が続かない・・・
そういう事に悩んでいる人からの質問をもらうことが非常に多いです。
せっかく目標や行動計画を立てても、この「やる気がでない時問題」のせいで、なかなか前に進めないというのは、決して珍しい事じゃないと思います。
なのでこの機会に、しっかりと対策をまとめておくことにしましょう。
既に知っている人もいるかと思いますが、僕も以前は、何でも0日坊主の「挫折のプロフェショナル」のような感じでした。
「やる気が出ない時にどうするか?」、というよりもやる気が出ない状態がデフォルト(通常の状態)だったわけです(苦笑)。
しかし、今では筋トレだろうとダイエットだろうと英会話だろうとビジネスだろうと「やる気がなくて行動できない」ということは一切無くなりました。
急な用事などで時間を短縮したり、別の日にずらすというような予定変更はありますが、基本的には決めたことを決めたとおりに実行できています。
なので、このページを読んでもらえば、「やる気が出ない時問題」を解決する糸口が見つかるはずです。
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目次
多くの人が、やる気と行動の関係を誤解している
いきなりですが、もしもやる気が全く出ないような時でも、全力でやるべき事ができたとしたらどうでしょうか?
その時の気分に関係なく、100%の集中力と行動力で仕事ができたり、勉強ができたり、運動や家事ができたとしたら?
やる気が無くたって、別に困らないですよね?
もちろんこれは極端な話ですが、僕たちがやる気がでない時に悩むのは、結局の所「行動できるかどうか」という部分にかかっていると思います。
そして、やる気が行動に影響しているという事に間違いはありませんが、逆に言えば、やる気以外の要素もいくつ重要な要素はあります。
具体的に言うと、以下のようなものです。
- 必要性:どれだけその行動が必要だと思っているか
- 習慣性:どれだけその行動が習慣になっているか
- 意志力:どれだけ強く「やろう」と決意しているか
これらにやる気が乗っかって、その総合力が行動力になる、という考え方です。
さらに、やる気というのは、この4つの中でも特に感情の動きに左右されやすく、変動しやすいという特徴を持っています。
例えば、勉強をやろうと思っている時に、親から「少しは勉強しなさいよ」なんて言われた途端に、すっかりやる気が消え失せてしまったりするわけです。
一生懸命やった仕事が全く評価されなかったりした時も、やる気はかなりの悪影響を受けるでしょう。
そんな風に、その時の気分(感情)で出たり引っ込んだりするわけですから、行動する上でやる気をあてにするのが、そもそもの間違いなんです。
感情を自分で直接コントロールできればいいんですが、楽しくないことを「楽しい」って思おうとしても限界があるように、自分の感情に嘘をつくことはできません。
「将来のために役立つ」というように理屈で考えて「意味づけ」をすることはできますが、それで感情がガラッと変化するということはまず無いでしょう。
「好きなことなら、やる気も続くはず。」
という考え方をする人もいますが、これも危険です。
人間の脳は刺激に慣れようとする性質を持っていますから、最初はどんなにワクワクしていたことでも、その刺激がずっと続くことはありません。
だから「やる気が出ないのは、本当に好きじゃないからだ。」なんて考えている人は、何でも結果が出る前にすぐ挫折するという中途半端な行動を繰り返すことになります。
つまり、僕たちがすべきことは、やる気がでない時に「やる気を出そうとする」ことではありません。
それは雨が降っている時に「どうすれば雨が上がるかな?」と考えているようなものだからです。
対策というのは、「雨が降ったら傘をさす」というように、自分の意思でできることをベースに考えなくてはいけません。
そう考えれば、「やる気が出ない」のが問題なんじゃなくて、「やる気が出ないと行動できない」のが問題だということが分かるでしょう。
上の図を見た段階で何となくイメージできているかもしれませんが、やる気以外の3つの要素が十分にあれば、全体の合計である行動力も自然に高くなります。
やる気の部分は出たり出なかったりと変動しますが、他の3つが下支えをしてくれるようになれば、行動力の平均値が高く安定してくるということです。
ここからは、この残りの3つの要素をどうやって高くするかということについて解説していきましょう。
必要性
必要性は、全ての行動のベースとなる、とても大事な要素です。
これが十分に高いと、他の要素がほとんど必要無い場合もあるというくらい、強力な力を持っています。
例えばですが、住んでいる家の近くの堤防が決壊して、
「このままでは溺れて死んでしまいます!今すぐに避難して下さい!」
なんて言われたら「意思が弱いから」とか「やる気が出ないから」という理由で逃げられないという人はいないでしょう。
そこまで極端な状況でなかったとしても、普段は勉強をしないような人がテスト前に「一夜漬け」で頑張ったり、何でも先延ばしにしがちな子どもが、夏休みの終わり間際になると必死に宿題を片付けたりしますよね。
そうやって人を行動に駆り立てるのが、必要性の力です。
なので、どうしても行動できないという場合は、まずこの必要性を高めるための工夫をしましょう。
僕の場合、英語を勉強する上では、TOEICのテストに申し込みをしたり、英語でスピーチをする機会を作ったりして必要性を高めるようにしていました。
ダイエットや筋トレならジムに申し込みをするとか、仕事のための企画書づくりなら、日時を決めて同僚にレビューをしてもらうとか、ちょっとした強制力を作るだけでも、必要性は大きく変わってくるはずです。
習慣性
習慣性というのは、その行動がどれくらい習慣になっているか?という要素です。
例えば、ほとんどの人は食事の後に歯磨きをしたり、ほぼ毎日お風呂に入ったりシャワーを浴びたりすると思いますが、これはその行動が習慣になっているからでしょう。
さすがに、
「やる気が出ない時は歯磨きができない。」
という人は、かなり少ないと思います。
「歯磨きや入浴なんて大したことじゃない」と思う人もいるかも知れませんが、実はこうこう事が習慣になっていない人にとっては、意外と高いハードルだったりするんです。
現に僕が知っている人の中には、歯磨きがなかなか習慣にならなくて、1週間に1回しか実行できないという人もいます。(その人はほとんどの歯が虫歯です・・・)
考えてみれば、入浴にしたって、「数分から数十分という時間をかけて体を洗う作業」なわけですし、実はそれなりにカロリーを消費する肉体労働でもあります。
理屈で考えれば、「毎日机の上を5分間かけて片付ける」ということの方がずっと簡単なはずなんです。
それでもほとんどの人が、入浴を大した苦労もなく持続できているのは、この習慣の力のおかげなんです。
なので、やる気が出ないと実行できないことに関しては、タイニーベイビーステップの原理で少しずつ習慣化していきましょう。
最初はそれこそ「本を1ページ開く」くらいの行動からやっていけばいいので、やる気に関係なく実行することができるはずです。
そして習慣性というのは、行動を続ければ続けるだけ、確実に積み上がっていきます。
意志力
ここでいう意志力というのは、本能やその時の感情に流されずに、やるべきことをやる力のことを指します。
精神的な力というのは筋力と同じで、短期間に一気に強くするのは難しいですが、それでも感情みたいに一気に上がったり下がったりするようなことはありません。
ウェイトリフティングの世界チャンピオンなら、少しくらい調子が悪くても「素人よりも力が弱い」ということが無いのと同じです。
いつもやるべきことをキッチリ実行に移す人というのは、「いつもやる気満々」というわけではなく、この意志力が強くなっているからこそ、多少の事を跳ね返して行動できるんです。
意志力は、それ自体を直接鍛えることはできませんが、必要性があることを行動に移したり、習慣を作ろうとして「できる範囲での行動」を繰り返していると、少しずつ強化されていきます。
やる気が出やすくなるコツ
ここまでに「やる気に頼ってはいけない」と書き続けてきましたが、やり方次第でやる気が「出やすい状況」を作ることは可能です。
最終的には「その時の状況や気分次第」ということにはなってしまいますが、少しでも有利な条件で行動するための努力はしておくべきだと思います。
マイルストーンの設定
あまりに遠いことを目標にしすぎると、本人が必要性を感じているにも関わらず、やる気が湧いてこなくなることがよくあります。
すぐに達成できないようなことは、頭の中でリアルにイメージしにくく、感情レベルで行動することのメリットを感じるのが難しいからです。
なので、やる気が出やすい状況を作るには、目先の目標(マイルストーン)を設定して、それを目指すようにしてみてください。
ちなみに僕の場合は、長い時間をかけて一つのものに取り組む時、3ヶ月くらいの期間ごとにSMARTの法則に従ってマイルストーンを設定しています。
さらに、そのマイルストーンに合った日々のノルマをノートに書き出して、実行したらそれに線を引っ張って消すというのが毎日の習慣になっています。
感情を引き起こすものに触れる
「やる気が感情に左右される」というのは既に書いたとおりですが、この感情を刺激することで、やる気を引き出せる場合があります。
例えば、ダイエットを成功させたいと思っている人が、理想の体型を持っている人の写真を壁に貼って「こんな風になりたい!」と感じたりするのは、感情を利用してやる気を出す方法の一つです。
必ずしもポジティブな感情だけでなく、誰かにバカにされた事とか、恥をかいたことを振り返って「二度とあんな思いはしたくない!」と考えてもいいでしょう。
ただし、記憶の場合は時間が経つにつれて薄まっていってしまうので、その「賞味期限」を伸ばすためにも、日記やメモのような形で書き残しておいた方がいいと思います。
作業興奮を利用する
人間の脳は、体を動かして何かをすると、側坐核という部分が刺激されることによって、やる気が出やすくなると言われています。
参考:側坐核(Wikipediaより)
要するに、脳の一部に「やる気スイッチ」のような部分があって、体を動かすことでそのスイッチが入りやすくなるわけです。
掃除や運動などの体を動かす要素のある事をしたときに、「始めるまでは面倒だったけど、いざ始めてみると意外とやる気が湧いてきた」という経験がある人は多いでしょう。
これは「作業興奮」と呼ばる現象で、昔から「やる気を助ける方法」の定番になっています。
なので、本来なら体を動かす必要のないデスクワークのようなことでも、始める前に軽く体操などをすると、通常よりもやる気が出やすい状態を作ることができるはずです。
また、一定時間の運動をすることには、記憶力を増大させる効果があると言われているので、勉強などはずっと机に座ってやるよりも、部屋の中を歩き回りながらやったりしたほうがいいかもしれません。
参考:10分間の運動で記憶力や認知能力がアップ 体力のない人でも効果的
肉体的なコンディションを軽視しない
成功している人の典型的な行動パターンの一つに、定期的にジムに通って体を鍛えたり、食事の内容や睡眠の質に気を使ったりするというような「健康志向」があります。
僕の知り合いのある起業家なんかは、脳波を測定する機械を買って、自分の睡眠時の脳波を記録しているくらいです。
そして、健康状態というのは、一般に思われている以上にやる気に影響を与えているものなんです。
脳の中で何かをやろうと決心したり、逆にやるべきでない事を我慢したりという意思決定をしているのは前頭前野という領域ですが、この部分は体が疲労してくると動きが悪くなると言われています。
参考:「圧倒的な思考力がある人」に共通すること
風邪をひいた時に食欲が出ないのと同じ様に、脳のコンディションが悪くなっていたら、やる気や意志力は発揮されないということです。
なので、やる気を引き出しやすい状況を作るためにも、健康状態には気を使うようにしてください。
今回のまとめ
最後に、今回のまとめです。
ポイント
- 何らかの行動をする時に、不安定な「やる気」をあてにするのは間違い
- 行動のベースにすべきなのは、「必要性」「習慣性」「意志力」
- やる気はおまけ要素として「出やすい状況を作る」事に集中する
- 肉体的なコンディションを軽視すると、やる気や意志力は発揮されない