・自分が三日坊主かどうかよく分からない
こんな人に向けて、三日坊主の本当の意味をまとめてみたいと思います。
まずは、「三日坊主」という言葉の意味が、辞書の中でどんな風に解説されているかを見てみましょう。
修行に耐えられず、三日で還俗げんぞく(一度、出家した者が、再び俗人に戻ること)をしてしまう僧侶の意から。
学研 四字辞典熟語(goo辞書より引用)
文字通り、お坊さんでいられるのが三日だけになってしまう=三日坊主ということですね。
確かに、お坊さんの生活と言えば食事は質素だし、娯楽もないし、行儀作法にも厳しいですから、現代人の感覚としてもイメージが湧きやすいし、わかり易い表現だと思います。
しかし・・・
長い間、三日坊主を治したいという人の相談に乗ってきた僕からすると、「何をしても長続きしない」という考え方だけではちょっと不十分に思えるんです。
だって、この辞書で解説されている意味を文字通りにとらえるとしたら、恋愛も仕事も趣味も勉強もダイエットも、なんでもかんでもすぐに放り出してしまう人が「子供の頃から毎日歯磨きを続けてるので、私は三日坊主ではありません。」という話が成り立ってしまいますよね?
歯磨きを続けているという以上、「何をしても続かない」とは言えないですから。
念のために言っておきますが、僕は別に辞書の解説の「アラ探し」をしようとしているわけでも、屁理屈をこねて話をややこしくしようとしているわけでもありません。
ただ「三日坊主」という言葉の意味を表面的にとらえていると、その裏にある本当の問題を見逃してしまう可能性があるかもしれないという事を伝えておきたいんです。
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何かを継続できれば「三日坊主」ではない?
まず、最初に考えておく必要があると思うのが、
「何らかのことを長く続けることが出来ていたら、その人は三日坊主ではないのか?」
ということです。
さすがに冒頭の「歯磨き」の話は極論すぎると思うので、僕の体験談を一つ紹介しましょう。
これは、以前に僕がダイエット関連の通信講座を運営していた頃、ある女性の相談に乗った時の話です。
20年継続できている人が三日坊主?
その女性は、それほど太っているというわけではありませんでしたが、少々ポッチャリした体型を改善するために、5kgほど体重を落としたいとのことでした。
仮に名前をAさんとしておきましょう。
Aさんは、小学校の低学年だった頃から、書道を習っていました。
その時点でアラサーと呼ばれる年代ですから、ざっくりと見積もっても20年位は続けているということになります。
段位もかなり上の方で、一般的には仕事として書道を人に教えている人と同じくらいだったそうです。
そこまで一つのことを続けて、しかも段位という形で結果を残しているのは、本当に素晴らしいことだと思います。
しかしその反面で、彼女はダイエットのための運動や食事制限をなかなか続けられないでいました。
もともと運動をする習慣がなく、お菓子などの甘いものが大好きだったので、そういうライフスタイルを変えることができずにいたんです。
「三日坊主でも、続けられるダイエット方法ってありますか?」
というのが、Aさんの最初の質問でした。
僕はAさんの性格をよく知るために色々な質問をしたのですが、Aさんが書道を始めた理由というのは、それがAさんの親の「教育方針」だったからそうです。
真面目でおとなしい性格のAさんは、面倒だと思うことがあっても「ちゃんと通わないと親に怒られるから」と休まずに書道教室に通い、社会人になってからも時々顔を出している、とのことでした。
さて、20年も書道を続けているAさんなのに、なぜダイエットのことになるとすぐに3日坊主になってしまったんでしょうか?
書道とダイエットでは、取り組むことの内容が全く違うからでしょうか?
Aさんは机に座って文字を書くことなら得意だったけど、「運動をしたり好きな食べ物を我慢するのは苦手」というタイプだったからでしょうか?
確かにそれもあるかもしれませんが、僕はもっと根本的なところに本当の問題があると思っています。
三日坊主の本当の問題とは何か
そもそもAさんが書道を始めたのは、Aさんの親がそれを強く勧めたからです。
少なくとも最初のうちは「通わないと怒られる」という強制力があったので、書道教室に通うという行動が三日坊主にならずに習慣化したんだと思います。
人は何らかの行動が習慣化していると、それほど大きなストレスを感じないで続けることができます。
それに対して、今までやったことのない事を習慣にするのは非常に大変で、多くの人がすぐに挫折してしまいます。
これがいわゆる三日坊主というものです。
Aさんは既に習慣化していることなら続けられましたが、自分自身で新しい習慣を作ることはできませんでした。
僕はこういう場合、Aさんは三日坊主を克服できていないと考えます。
なぜなら、僕たちが目指すべきなのは「現状維持」ではなくて「より成長した自分になること」や「より良い未来を手に入れること」だからです。
お金持ちになりたいと思っても、
英語が話せるようになりたいと思っても、
マッチョやスリムになりたいと思っても、
それを達成するためには努力を継続しなくてはいけません。
そのためには、強制力の無い環境でも、自分の力で習慣を作れるようにならないといけません。
今までやってきたことなら続けられるけど、新しいことをやろうとするとすぐ挫折する、ではダメなんです。
なので、当サイトでは三日坊主という言葉の本当の意味を、次のように解釈したいと思います。
実際に僕が三日坊主克服のために取り組んだのも、筋トレや英会話といったような、昔の僕が特に不得意としていた分野でした。
僕が運営している三日坊主克服のための講座の中でも、受講生の人たちは次々と「今までにできなかったこと」を習慣にすることに成功しています。
そうやって、苦手なことや面倒なことであっても、自分に必要だと思ったことを決断した通りに実行できるようになってこそ、本当の意味で三日坊主を克服したと言えるんだと思います。
「計画通りにいかない」は三日坊主じゃない
勉強や仕事などの相談に乗っていると、数ヶ月単位で努力を続けているにも関わらず、結果が出ないということが原因で挫折してしまう人が多いということが分かります。
例えば、
「ブログを半年更新し続けているのに、アフィリエイト収入が0のままなんです。」
とか、
「1年間勉強しているのに、TOEICの点数が下がってしまいました。」
というような場合です。
真面目で実直な人は、こういう時にも「続かない自分が悪い」と考えてしまいがちですが、それは間違いだと思います。
結果が出ないようなことを長期間続けるというのは誰にとっても苦痛だし、そんな時に必要なのは「継続する努力」ではなくて、「何をすべきかを考える努力」だからです。
自己啓発の本などには「成功するまで続ければ失敗は無い」ということがよく書いてありますが、これは正しい環境で、正しい努力をしている場合の話です。
努力し続けているつもりなのに、結果が出ないから続けられないという場合は、自分自身を「三日坊主だ」なんて思うよりも、別の方法で努力することを検討しましょう。
僕の経験上、長い間努力をしても結果が出ないという人の中には、必要以上に「自己流」や「個性」にこだわっている人が多いです。
例えば、スポーツチームのファンブログを運営しているのに、記事の内容がチームの経営陣に対しての愚痴ばかりだったり、TOEICのスコアアップを狙っているのに、オンライン英会話ばかりやっているというような「努力」をしていたりするわけです。
「ダラダラ継続」には意味がない
さらに、いわゆる三日坊主ではなかったとしても、目的に見合った努力を続けていなければ、当然結果が出ることもありません。
この意味は、スポーツジムなどに通っている人たちを見るとよく分かるでしょう。
最初のうちは目標体重を決めたり、
「腹筋が割れて見えるようになるまで頑張ろう!」
なんて決心していても、その気持を持ち続けられる人はごく一部です。
ジムに定期的に通い続けていても、大半の時間を知り合いとのおしゃべりに費やして、運動よりもジムのお風呂やサウナに入ったり、その後に仲間と飲みに行ったりすることを楽しんでいるという人がたくさんいます。
こうなるともう、スポーツジムというよりもスーパー銭湯のようなリラクゼーション施設に通っているのとほとんど変わらないでしょう。
僕は20年近く同じスポーツジムに通った経験がありますが、残念ながら目に見えて体型が変わるまで努力を続けられる人の割合は、せいぜい数十人に一人だと思います。
- 一大決心をして新しいことを始める
- 結果が出ないまま、何となく継続する
- 「やらないよりはマシ」という言い訳で自分を納得させる
こういう行動パターンにハマっていくわけです。
まあ「やらないよりはマシ」というのは確かにその通りなんですが、せっかく時間と労力を注ぐのなら、せひ最初に立てた目標や目的を忘れないようにして欲しいと思います。
今回のまとめ
最後に今回の内容を簡単にまとめておきましょう。
ポイント
- 三日坊主の辞書の上での意味は ↓
「長続きしないこと。また、そのような人のこと」 - 本当に意識すべき三日坊主の意味は ↓
「習慣を自分の意志で作れないこと、またはそのような人のこと」 - 努力が結果につながらない時は、まず方法を変えることを考える
- 長期間継続していても、目的に合った努力をしなければ意味がない